国土交通省、JALの羽田~ホーチミン線運航を認可…需給状況のデータ提供を受けて「監視する」

航空 行政

国土交通省は、日本航空(JAL)が新路線の就航を申請していた羽田~ホーチミン線の開設を認可すると発表した。

経営破たんし、公的資金で経営再建したJALが新規路線を開設する場合、「日本航空の企業再生への対応について」に基づいて、「JALグループ中期経営計画」期間中、JALに対する公的支援によって航空会社間の競争環境が不適切に歪められないかなどを確認するため、路線計画について報告を求め、その状況を監視することとしている。

今回、JALが開設申請していた羽田~ホーチミン線は、新規路線に当たるため、国交省は「日本航空の企業再生への対応について」に基づき、開設によって航空会社間の競争環境が不適切に歪められないかなどを精査。

この結果、羽田~ホーチミン間には他社による既存の運航便はなく、JALグループが就航しても直接の競合は生じない。また、他社が運航する成田~ホーチミン便との関係についても、両都市間の旺盛な需要を背景に、羽田~ホーチミン線の開設の前後で一定程度の利用率の増加が見込まれる。

加えて、将来的な旅客需要の増加も勘案すれば、利用率の向上が見込まれることから、他社が運航する既存便の維持が困難になるなどの競争上の重大な影響は生じないと見込まれることなどから、日系航空会社間の競争環境が不適切に歪められるものではないと判断した。

国交省では、航空法に則り審査した結果、航空法に適合した申請であるため、これを認可するとしている。

ただ、今回のJALによる羽田~ホーチミン線の開設では、ANAホールディングスが、公的資金を投入したJALの路線拡張に懸念を示していた。

このため、国交省では、他社の運航便への影響状況についてもフォローアップする必要があるとしており、認可に当たっては、同路線の需給状況を示すデータの提供を条件ととし、「日本航空の企業再生への対応について」に基づいて同路線の状況を監視していくとしている。

国交省では、羽田空港の国際線発着枠の拡大を巡っては、全日本空輸(ANA)に11枠を割り当てたのに対して、JALへは5枠にとどめるなど、ANAを優遇する姿勢を鮮明にしてきた。このため、JALは発着枠に余裕のある羽田の深夜時間帯の枠を利用して羽田~ホーチミン線の就航を申請していた。

今回は、ANAが就航していない羽田~ホーチミン線は、認可せざるを得ないと判断した模様だ。

《レスポンス編集部》

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