【三菱 アウトランダーPHEV 試乗】長距離ドライブで実感するプラグインハイブリッドの醍醐味

自動車 ビジネス 国内マーケット
アウトランダーPHEV
アウトランダーPHEV 全 16 枚 拡大写真

アウトドアスポーツの代表格サーフィンと『アウトランダーPHEV』の相性を探るため、サーファー二人とともに九十九里海岸を訪れた。今回取材したサーフィンを楽しむ二人の話を聞いていると、ボードを積める荷室空間だけでなく、長距離ドライブの快適性もクルマ選びの条件になるという話が聞けたことは新たな発見。都心に住むサーファーであれば、サーフポイントによって100~300km近くドライブすることになるので当然と言える。

◆コースティングの滑空感に共通点を見いだす

今回の取材では、アウトランダーPHEVは満充電で東京を出発、総走行距離300kmあまり走った。プラグインハイブリッドEVの長所を活かして出発前に充電後、40km弱をEV走行。その後はハイブリッドモードで走行した。ハイブリッドモードでも、エンジンが起動するしないの違いだけで体感上の性能差は感じられず、急加速でもしない限りは静粛性も上々。EVモードからハイブリッドモードの切り替えも至極スムーズだ。

しかし、エンジン音なく走れるEVモードの気持ち良さはやはり格別。ドライブの途中、銚子寄りの海岸沿いには巨大な風力発電施設が並んでいたが、これら風力発電が生み出す電気で充電できるチャージステーションが整備されれば、“サーフィンの帰りは再生可能エネルギーの電気を使って走れる”、そんな未来も想像してしまう。

サーフィンの魅力について二人に話を聞くなか、印象的だったのは「やはり、波に上手く乗れた時に感じられる“気持ちの良さ”が一番の魅力」ということ。あるサーファーは、「波に上手く乗れるとボードから“サー”っと水の流れが伝わってきて“今、波に上手く乗れている”と感じられるんです」と語る。この発言から筆者が思い起こしたのは、エンジンも電気も使わないコースティング(慣性)走行との近似性だ。

アウトランダーPHEVの回生モードには回生ゼロの惰性で走るコースティングモードが用意されている。回生ゼロのモードでは、アクセルをオフにしてもエンジンブレーキやモーターによる回生が働かないので、思っている以上に速度は維持されたままの状態が続く。

◆コースティングモードは気持ちいい

コースティング走行は、主に高速走行時に有用とされるが、例えば市街地を走っていても活用することができる。今回のロングドライブでは、実際に先にある信号が赤に変わったのを早めに察知してコースティングモードで信号に近づいていくと、タイミングが良いと信号を前に止まることなく再加速することが可能。ストップ&ゴーを繰り返さなくて済むので燃費にも効果的だ。

もちろん、燃費走行に気を取られて周囲の交通の流れを乱してはいけないが、赤信号に向かってアクセルを踏んでいくドライバーはいないので、コースティングモードをうまく取り入れたエコドライブのテクニックは、周りにも迷惑がかからない。コースティング走行に慣れてくると、コースティングモードで走れる時間を長くすることもできる。また、パドル式の回生レベルセレクターを上手く使いこなせば、フットブレーキを用いずに車速を調整することも自在になる。いままでのガソリン車にはない、乗りこなしの面白さがアウトランダーPHEVにはある。

コースティング走行中、車内で聞こえるはタイヤからのロードノイズのみ。駆動力が抜けるので慣れない人には違和感を感じるかもしれないが、これがなかなか面白い。面白いと感じたのは、サーフィンのようにある種のスポーツ性を感じたからで、“コースティングモードは気持ちいい”と感じるこの感覚は、サーファーであったら理解してもらえるかもしれない。

◆走りの楽しさと使い勝手はサーフィンの良き相棒に

サーフィンとアウトランダーPHEVの相性を考える上で、このほかにも実用面におけるメリットはある。海岸での取材を終えた帰りの高速道路ではアウトランダーPHEVに装備されたレーダークルーズコントロールが活躍した。前車との距離を一定に保ってくれる安心感に加えて、操作性においてもクルーズコントロールシステムを起動するとメーターパネルに前車を認識しているかどうかが大きく表示がされるので、ドライバーとしては安心感が高い。

実際に高速道路をロングドライブする中でクルーズコントロールを使うのと使わないではドライブ後の疲労感が違う。機械への過信は禁物であるがサーフィンで疲れた体にとって優しい装備といえる。車線逸脱警報システム(LDW:Lane Departure Warning system)や衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM:Forward Collision Mitigation system)を含む「e-Assist」は万が一の事故を予防するという意味においてもありがたい機能だ。

プラグインハイブリッドEVということで環境性能の部分にフォーカスされがちなアウトランダーPHEV。300km以上を走りきった印象としては、SUV本来の特長でもあるアウトドアライフをサポートするその性格においても、サーファーにとって頼もしい相棒となってくれそうだ。

《》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 【トヨタ GRカローラ 新型試乗】「GRヤリス」とはスタンスが明確に違う理由…河村康彦
  2. 空力とエンジン性能を高める“穴”の真相~カスタムHOW TO~
  3. 『N-BOXカスタム』用パーツが一挙発売、ブリッツからエアクリーナーシリーズ4種類・5製品が発売
  4. EV戦略の“怪”、世界的には「失速」、国内は充電設備1年間で「3割増」[新聞ウォッチ]
  5. ポルシェ『カイエンGTS』改良新型、日本での予約を開始---価格は1868万から
  6. 三菱『エクリプス クロスPHEV』は、新しい毎日に踏み出せる「今の時代、最強の1台」だPR
  7. アントレックスが折りたたみ電動スクーター『MK114』発売へ、軽自動車にも積載可能
  8. ホンダの新型SUV『WR-V』、発売1か月で1万3000台を受注…月販計画の4倍超
  9. スライドドア&大型リアゲート搭載の 「ロビンソンAI」、九州キャンピングカーショーに登場予定
  10. ロイヤルエンフィールド INT 650 発売、価格は94万7100円より…ブラックアウトの「DARK」を新設定
ランキングをもっと見る