【マツダ アクセラ 試乗】絶妙なドライビングポジションで疲れ知らず…片岡英明

試乗記 国産車
マツダ・アクセラ XD
マツダ・アクセラ XD 全 14 枚 拡大写真

マツダ『アクセラ』を鹿児島で行われた長距離試乗会で走らせた。そのとき、強く印象に残ったのは、絶妙なドライビングポジションだ。ステアリングだけでなく、シートも調整しやすい。また、ペダル配置も適切だから、2日間、乗り続けても疲れが少なかった。

ステアリングもしっとりと手になじむ。視界がよく、車両感覚がつかみやすいなど、運転しやすいことも美点のひとつに挙げられる。

3種類あるパワートレーンの洗練度は高く、燃費も良好だった。4.0リットルクラスの分厚いトルクを発生する2.2リットルのディーゼルターボは、高速道路でも山岳路でも力強い加速と優れたドライバビリティの持ち主だ。低回転からモリモリとトルクがわき出し、高速道路での追い越しも余裕でこなす。瞬発力を必要とするときや坂道ではパドルシフトが重宝した。

もうひとつ驚かされたのが、ディーゼル車とは思えないほど静粛性が高かったことである。アイドリングストップ機構もディーゼルエンジンの弱点を上手に包み隠していた。知らされずに乗せられたら、ディーゼルエンジンと分からない人も少なくないだろう。ちなみにアイドリングストップを積極的に作動させるには、ちょっとしたコツを必要とした。

1.5リットル4気筒DOHCのスカイアクティブGもいい仕上がりだ。6速MT車を運転したが、ワインディングロードでは気持ちいい走りを存分に楽しむことができた。難なく6000回転まで使い切ることができ、エンジン音もスポーティだ。さすがに1.5リットルの排気量だから登坂路では余裕を欠いた。だが、ヨーロッパ車のように積極的にギアを変えて走ると楽しい。

マツダ初のハイブリッド車にも操る楽しさがある。EV走行からエンジンが始動したときの切り換えは絶妙で、ディスプレイを見ないと分からないくらい滑らかに切り替わった。また、EV走行のときは群を抜くスムースな加速と優れた静粛性を見せつける。モーターアシストを加えたときの加速は痛快だ。

ボディはしっかりしている。高い剛性が軽快なハンドリングとしなやかな乗り心地を生み出した。ワインディングロードでは意のままの気持ちいい走りを楽しむことができる。サスペンションは滑らかに動き、リアの追従性も素晴らしい。軽やかにクルマの向きが変わる。とくにガソリンエンジン搭載車は鼻先が軽く、舵の利きがいい。16インチのエコタイヤでも優れたバランス感覚を身につけていた。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

片岡英明│モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

《片岡英明》

片岡英明

片岡英明│モータージャーナリスト 自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

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