パナソニックの補修用バッテリー カオス、カーオーディオの音質向上を謳う技術のキモ

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パナソニックストレージバッテリー カオス
パナソニックストレージバッテリー カオス 全 8 枚 拡大写真

パナソニックストレージバッテリーが扱う補修用バッテリー『カオス』。この製品は、長寿命化設計や優れた高速充電性能が特長だが、さらにはオーディオの高音質化にも効果があるという。ともすれば価格重視で選ばれがちな補修用バッテリーの中にあって、特長ある機能と高性能でブランド力を保っているカオスの技術に迫ってみたい。話を聞いたのは、マーケティング企画グループの岡井亮氏だ。

----:カオスで謳われている特長としては長寿命化設計、高速充電性能、そしてカーオーディオの音質向上もあります。この“音が変わる”とは、いったいどういった仕組みなのでしょうか。

岡井:まず、このカオスでは大容量であることが製品の特長としてあります。オーディオ機器へ電力を供給する時、カーバッテリーの電圧は低下しますが、カオスでは大容量により電圧低下を最小限に抑えて安定した電圧を維持しています。大容量であることから電流に余裕があり常に安定したブレのない音が聞こえることが、一つ目の効果としてあると思います。

----:その大容量と安定した電流供給を実現させた技術的な裏付けはどのような点でしょうか。

岡井:構造面での特長としては、当社では極板技術に力を入れていて、極板に使うペーストの粒子を微細化した“パワフルペースト”を採用することで電気を取り入れやすくし、負極板のカーボンに関してはひとつひつとの粒子の抵抗を小さくした“低抵抗カーボン”を採用して大容量化を実現しています。さらに、“スリムファインメッシュグリッド”と呼ぶ薄型化した極板を採用することで、高い導電性を保ちつつ軽量化にも役立っています。これらの素材レベルでの改良がカーオーディオの音質面にも効いているのです。

----:具体的に、どのような理由で音質が向上するのでしょうか。

岡井:カーバッテリーの電流の変化をグラフにして見た時に、カーオーディオのリズムにあわせて電流も変化しているのです。一般的なカーバッテリーでは、この入力の違いに追従することができず音のズレが生じていたのですが、カオスではリズムに対してキメ細かく電流が追従しているのを確認しています。ですので、“音が変わる”というより、カーオーディオが持っている本来の音質を楽しめるのがカオスであり、音質のことを考えてバッテリーを交換するメリットになると思います。

◆実際に音の変化を確認してみた

今回、実際にバッテリー交換前後の音の変化を感じるため、実車を使ってバッテリーをカオスに交換してみた。バッテリーを交換後、車載の純正オーディオでCDを聞いてみたが、わずかではあるが確かに音の変化を感じることができた。

具体的に感じたのは高音域の変化だ。とくに楽器やヴォーカルの音がクリアとなり解像感・奥行き感が増した印象。音のイメージを別な表現で示すならば、標準バッテリーをピントの甘い写真とすると、カオスではシャキッとピントが合った写真に変わったように感じられた。

なおカオスシリーズには2013年の末からアイドリングストップ(IS)車・非IIS車(一般車)兼用の『カオスPRO』が登場した。カオスPROは同社最高レベルの高速充電性能と長寿命化(耐久性)を実現したバッテリー。カオスとの棲み分けについては「バッテリーへの電流出入力が大きいIS車の場合、(カオスを含む)IS非対応の補修用バッテリーを使うと寿命が極端に短くなりますので、当社製品であればカオスPROへの交換となります」とのこと。

利用用途にもよるが、ほとんどの場合、一般車のユーザーにとってはカオスの性能で十分だという。

厳しい寒さも終わりに近づきドライブが楽しくなる春がやってくる。冬シーズンを過ごしたバッテリーは、エアコンなど電装系に負担がかかりバッテリーが劣化しているケースがある。カオス シリーズはカーバッテリー寿命判定ユニット 「LifeWINK (ライフウインク)」に対応しているので、劣化具合を可視化してバッテリーの寿命いっぱいまで使えるようになる。交換時は、耐久性・信頼性が最重要ポイントだろうが、カーオーディオの音質改善を考慮に入れるという選択肢もありそうだ。

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