【三菱 ランエボ 生産終了】シリーズ初のAT仕様は大人の落ち着き…7代目GT-A[写真蔵]

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リアスポイラーレスも選択可能だった
リアスポイラーレスも選択可能だった 全 30 枚 拡大写真

3月末、三菱のスポーツカー『ランサーエボリューション』の生産終了が報道された。1992年の初代登場から20年あまり。WRC制覇など輝かしい足跡を残したランエボの歩みを写真で紹介する。

初代発表から10年目を迎えた7代目(VII)で、ランエボ初のAT搭載モデルを世に送り出した。その登場は2002年の1月。「GT-A」のサブネームは、グランドツーリング性能を付加したモデルであることを示す「GT」に、そのアプローチの第一歩を示したモデルであること、そして「ATスポーツを極める」という意味を込めた“A”を組み合わせたもの。

外観はエアダクトを廃したアルミボンネットに加えナンバープレートが中央に移されるなどプレーンなスタイルへ。メッシュのグリルに控えめなGT-Aバッヂと相まって大人しい印象を与える。リアスタイルもMTモデルとは差別化され、テールレンズがクリア化され上質な雰囲気をもたらしている。リアスポイラーは小型タイプが標準となり、オプションではGSR/RSと同様の大型タイプだけでなくリアスポイラーレスも選択できた。

エンジンは、AT化にともないターボが小型化され最高出力200kW(272ps)/6500rpm・343Nm(35.0kgm)/3000-5000rpmと、GSR/RS比で8ps・4kgmデチューンされた。8.8の圧縮比や7000rpmからのレッドゾーンなどはGSR/RSから変化はない。ATは当時の三菱お得意の学習制御を取り入れたINVECS-IIスポーツモード5ATを採用。このATは『ギャラン』の「VR-4」ですでに実績ある大トルク対応のW5A51型で、4G63エンジンへの搭載にあたり1速のローギアード化と5速のハイギアード化が図られた。また、水冷/空冷のATクーラーを直列配置することでATフルードの油温上昇を抑える対応も施されている。フロアシフトによるシーケンシャル操作だけでなくステアリングスイッチによるシフト操作も実現した。

駆動部分ではランエボVIIのRS/GSRに搭載されたメカニズムをベースにATに最適化。前後輪の差動制限をドライビングや路面状況に応じて変化させるアクティブ・センター・デフ(ACD)と、左右輪の駆動力を動的に制御するアクティブ・ヨー・コントロール(AYC)に加えて、舵角に応じて4輪の制動力を制御するスポーツABSを組み合わせた「オールホイールコントロール(AWC)」技術もそのまま採用。コーナリング時の差動制限力をGSRよりもわずかながら強め、安定方向に振ったセッティングとしている。

足回りのチューニングも入念だ。スプリングはバネ定数を下げ、ショックアブソーバーの減数力をフロントで15%、リアで45%下げた。ステアリングギア比は13.0(GSR)から14.2(GT-A)へとスローに。この結果GSRと同レベルのロール特性を維持しながら、微小振動やピッチングの抑制に成功している。ブレーキは前後共にブレンボ製、例によってフロントブレーキは対向4ポッドのアルミキャリパーを採用している。

メカニズムと装備類はGSRに準じているが、車重はGSR比でプラス80kgの1480kgにまで増加。この結果燃費は8.8km/リットルと少々厳しい数値となっている。

《レスポンス編集部》

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