神戸製鋼、舶用バイナリー発電システムを旭海運と共同開発

船舶 テクノロジー
旭丸
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神戸製鋼所と旭海運は4月9日、共同で「舶用バイナリー発電システム」の開発に着手したと発表した。2015年度中に開発を完了し、2016年度中の実船搭載を目指すという。

舶用バイナリー発電システムとは、従来大部分が利用されていなかった船舶のエンジンから排出される熱を熱源としてバイナリー発電機で発電し、その電力を船舶の動力の補助電源などに活用するものだ。このエネルギーの有効活用により、使用燃料及びCO2排出量を年間2.6~2.9%程度削減できるものと想定される。

本開発に際して、神戸製鋼は新たに舶用バイナリー発電機を開発し、旭海運は自社が保有する神戸製鋼向け大型石炭専用船「旭丸」にこの新規開発されたバイナリー発電機を搭載し、システム全体の構築を担当する。なお、本研究開発は、国土交通省の「次世代海洋環境関連技術開発支援事業」および、一般財団法人日本海事協会の共同研究テーマに採択され、実施している。

従来、船舶ではエンジンから排出される多量の熱が再利用される事なく船外へ放出されており、エネルギーの有効活用の観点から課題となっており、またCO2 排出量削減の観点からも今後益々環境対策が重要になる。

神戸製鋼が2009年に販売を開始した「マイクロバイナリー発電機」は、工場の排熱など従来使用される事が少なかった熱源から作動媒体を加熱・蒸発させて、その蒸気でタービンを回し発電する発電システム。それを今回新たに「舶用バイナリー発電システム」として旭海運と共同開発する事で、船舶におけるエネルギーの有効活用とCO2排出量の削減を目指すという。

なお、本日から11日まで東京ビッグサイトで開催される海洋関係の展示会「SEA JAPAN 2014」において、今回の「舶用バイナリー発電システム」をパネル展示で紹介している。

《山内 博》

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