日立建機、藻類バイオ燃料によるHV油圧ショベル稼働試験…500時間稼働を達成

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実機稼働試験の模様
実機稼働試験の模様 全 2 枚 拡大写真

日立建機は4月11日、藻類からできたバイオ燃料を100%の濃度で使用して、世界で初めて、ハイブリッド油圧ショベルの500時間稼働を達成したと発表した。

同社では早くから、化石燃料の使用量を抑える低燃費型建設機械の研究開発を行うとともに、多様化する燃料に対しても様々な研究を行ってきた。その一環として、バイオ燃料の中でも化石燃料の代替として注目されている「微細藻類から製造されたバイオ燃料」を100%の濃度で用いた、油圧ショベルの稼働試験を実施した。

微細藻類とは、淡水や海水だけでなく、陸上にも普遍的に生育する微小な植物プランクトン。大きさは数マイクロメートルから数10マイクロメートルだが、パームヤシやトウモロコシなどの油糧植物を大幅に上回る効率で油を生産するという。

稼働試験の実施にあたっては、世界10数社におよぶ各種の藻類バイオ燃料を詳細に検討。その中から、ディーゼルエンジンの稼働に適した燃料性状や開発状況を考慮して、ソラザイム社製の「ソラディーゼルRD」を選択した。ソラディーゼルRDは、硫黄分や芳香族分を含まず、セタン価の高い燃料。これらの特徴は、排出ガスの性状の改善や、急激な燃焼を防止する効果があり、従来のバイオ燃料や軽油にはないものだという。

試験は、ハイブリッド油圧ショベルZH200を使用し、エンジンメンテナンスサイクルの500時間稼働を目標に設定。また、日々のデータ収集には、衛星通信システム「グローバルe-サービス」を利用し、試験機の稼働状況を遠隔で監視、分析した。遠隔監視の下、試験機は順調に稼働し、11月に500時間の稼働を達成した。運転を担当したオペレータは、操作性を損なうことなく、軽油と同等のパワーを得られたとコメントしている。

日立建機では、500時間以降の長期稼働時や他機種への適用性を今後の検討項目とし、将来の製品への適用をめざし、研究・開発を進めていく。

《纐纈敏也@DAYS》

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