3D画像で見る火星の地質現象 日本科学未来館で展示開始

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DLR、マーズ・エクスプレス計画HRSCカメラ責任者ラルフ・ヤウマン教授が来日。
DLR、マーズ・エクスプレス計画HRSCカメラ責任者ラルフ・ヤウマン教授が来日。 全 9 枚 拡大写真
東京・江東区の日本科学未来館では、2014年4月16日から9月1日まで、欧州の火星探査機『マーズ・エクスプレス』撮影による火星の画像展示会『火星の新しい視点 ~“マーズ・エクスプレス”がとらえた高解像度3D写真~ 』を開催している。

「火星の新しい視点」展は、ESA 欧州宇宙機関に参加するドイツ連邦共和国航空宇宙センター(DLR)主催による、世界各国を巡る展示会。2003年に打ち上げられ、現在も火星探査を継続するESA初の惑星探査機「マーズ・エクスプレス」が10年にわたり撮影した火星の画像から、15点を大スクリーンで展示する。

画像はすべて、マーズ・エクスプレスに搭載された高解像度ステレオカメラ(HRSC)が撮影したもの。HRSCは火星の地図作成を目的として、開発をDLR惑星研究所が担当した。宇宙探査機初の三次元撮像で、火星表面を解像度最大約10メートルで記録している。

展示では、火星の歴史でこれまでに起きた地質学的なできごとを反映した多様な地形がみられる。火山活動、水、氷、浸食、風、地殻運動、極地、堆積作用、衝突クレーターと9つの地質学上の特徴別に画像を展示している。火星の南半球、ヘラス盆地の東部では、直径7キロメートルの隕石衝突クレーターに3000~4000メートル級の山岳地帯から氷河が流れ込み、一杯になったクレーターからさらに下方の直径17キロメートルのクレーターにあふれた氷や岩石が流れ込んだ。砂時計のようにクレーター間を氷や水が移動した痕跡は「二重クレーター」として知られる場所に残っており、火星表面からほとんど水が失われた今でも画像で確認できる。

現在も現役で探査を続けるマーズ・エクスプレスは、今年11月に史上初の彗星着陸探査を予定している「ロゼッタ」探査機と共通の設計構想を取り入れた、兄弟とも呼べる探査機。また、今年末に打ち上げ予定の小惑星探査機「はやぶさ2」にはDLRが開発する着陸機「マスコット」が搭載されるなど、欧州の宇宙探査や日本との協力関係が注目される。

展示名称:火星の新しい視点 ~“マーズ・エクスプレス”がとらえた高解像度3D写真~
開催期間:平成26年4月16日(水)~9月1日(月)
開館時間:10:00~17:00(最終入館 16:30、火曜日休館)
料金:無料(常設展 大人620円、18歳以下210円)
場所:日本科学未来館 7階ドームシアター前
主催:ドイツ連邦共和国航空宇宙センター
共催:日本科学未来館

《秋山 文野》

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