商船三井が運航する鉄鉱石運搬船、中国政府が差し押さえ

船舶 企業動向

商船三井は、4月19日に同社が運航する鉄鉱石運搬船「BAOSTEEL EMOTION」が中国浙江省で当局から差し押さえを受けたと正式に発表した。

これは、1999年に合併したナビックスラインの前身である大同海運が、中国船主の中威輪船から定期傭船し、その後日本政府が徴用した後、滅失した貨物船2隻について、中国船主ら原告に対して総額29億円の損害賠償金を支払うよう、中国上海市高級人民法院から判決を受けていたことに関連したもの。今後、日中の政治問題に発展する見通し。

大同海運は商船三井の前身のうちの1社で、1936年6月と10月に、中威輪船から順豊号と新太平号を定期傭船する契約を締結した。しかし、傭船期間未了のまま日本政府が徴用し、両船とも徴用中に沈没または消息不明となった。

中威輪船の代表者の相続人がは1964年、日本政府を相手どって東京簡易裁判所に調停を申し立てたが、1967年不調に終わった。1970年には原告は東京地方裁判所に損害賠償請求を提訴したが、東京地裁は1974年に消滅時効の成立を理由として棄却した。

その後、原告は東京高等裁判所に控訴したが、1976年に取り下げ、東京地裁の判決が確定した。1987年初に中国の民法における時効制度が通知され、1988年末が損害賠償の提訴の期限となったため、中威輪船の代表者の相続人が、1988年末に大同海運の後継会社であるナビックスライン(現在の商船三井)を被告として、上海海事法院に定期傭船契約上の債務不履行による損害賠償請求を提起した。

2007年12月、上海海事法院で、原告の中威輪船に対して約29億2000万円の損害賠償を商船三井に命じる一審判決が出され、商船三井は、同判決を不服として上海市高級人民法院(第二審)に控訴した。

2010年8月に、上海市高級人民法院で第一審判決を支持する第二審判決が出され、商船三井は、最高人民法院に本件の再審申立てを行ったが、2011年1月17日に、申立てを却下する決定を受けた。

これを受け、商船三井は上海海事法院と連絡を取りつつ、和解解決を実現するため、原告側に示談交渉を働きかけていたが、今回、突然差し押さえの執行を受けた。

《レスポンス編集部》

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