【高機能金属展14】F1で使用禁止になった、超々ジュラ以上の高強度アルミ合金

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ピストン用素材としてのスプリーメックスのサンプル
ピストン用素材としてのスプリーメックスのサンプル 全 3 枚 拡大写真

高機能金属展の会場内を歩いていたら、自動車部品らしい展示に遭遇。壁のパネルを見ると超々ジュラルミン以上の強度を誇るアルミ合金というキャッチコピーが目に入った。マテリオンブラッシュジャパンのブースにある「スプリーメックス」というアルミ合金のことだ。

【画像全3枚】

これはアルミ合金の中に超微細なセラミックの粒子を均一に分散させたMMC(金属基複合体)で、引っ張り強度は超々ジュラルミンのA7075より2割近く強く、剛性もアルミ合金の1.5倍と言う硬さを誇るマテリアルなのだとか。以前は某H社のF1マシンのピストンにも使われていたらしいが、現在はベリリウム同様レギュレーションで使用禁止になってしまったそうだ。

通常のアルミ合金と異なり、セラミックとアルミ合金を焼き固めた焼結合金だと言う。そのためビレットと押し出し製法のパイプ、圧延材など供給できる部材の状態は限られ、鋳造などは出来ないので用途も限定されてしまうそうだ。もっとも超々ジュラルミンも加工性が高いとは言えない素材なので、これはデメリットとは言えないだろう。

それでもフォーミュラマシン用と思われるアップライトなど大きく複雑な形状も、鍛造や削り出しなどで実現しており、ブレンボの8ポットモノブロックキャリパーにもスプリーメックスが使われていることが分かった。しかしカットモデルの断面を見ても、これが焼結合金だとは感じられない。見た目には滑らかなアルミ合金そのままだ。

どうやら温度や圧力など、製造方法にはかなりのノウハウがありそうだ。そうでなければ超々ジュラルミン以上の引っ張り強度など、到底実現しえない。軽量化が求められる高級車向けとして需要がありそうなマテリアルと言えそうだ。

《高根英幸》

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