【三菱 ランエボ 生産終了】パワートレーン&四輪制御一新、未踏領域の300PSへ…10代目[写真蔵]

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三菱 ランサーエボリューションX
三菱 ランサーエボリューションX 全 40 枚 拡大写真

3月末、三菱のスポーツカー『ランサーエボリューション』の生産終了が報道された。1992年の初代登場から20年あまり。WRC制覇など輝かしい足跡を残したランエボの歩みを写真で紹介する。

【画像全40枚】

第3世代の最終形態ランエボ「IX MR」の登場から1年後の2007年10月、プラットフォーム、デザイン、エンジンなど全てを一新し第4世代となったランサーエボリューション10(X)が登場した。このモデルから1年ごとに登場する限定車ではなくカタログモデルとなり、車名はそのままに年次改良を施されながら発展を続けてきた。

Xにおいてベース車は『ランサー』からその実質的な後継車である『ギャラン フォルティス』へと移行。当然ながらランサーエボリューションを名乗るためにトレッド拡大や剛性強化など専用のボディーチューニングが施されている。

ボディサイズは、ランエボIXとの比較で全幅を40mm拡大し30mmワイドトレッド化。ホイールベースを25mm延長しつつ、オーバーハングを20mm短縮することで高い安定性を確保しながらも、モータースポーツシーンも考慮した「勝つためのディメンジョン」となっている。

名機4G63型と決別、アルミブロックをもつ新開発4B11型エンジンを採用

メカニズム面ではベース車の変更に伴い一新された。初代ランサーエボリューションから脈々と受け継がれ進化を遂げてきた名機「4G63型」エンジンと決別し、アルミブロックを持つ新設計の2.0リットル DOHC MIVEV ターボエンジン「4B11型」エンジンを搭載。

シリンダーブロックを鋳鉄製からアルミダイキャスト製とすることで12.5kgの軽量化を果たし、前方吸気、後方排気のレイアウトを採用することでエンジン搭載位置を10mm下げることに成功した。発表時の最高出力は280PS(6500rpm)のままだが、最大トルクは43.0kgm/3500rpmに増強され、吸気側だけでなく排気側のカムシャフトにもMIVEC機構を搭載。性能と環境性能を高次元で両立したエンジンとなっている。なお最高出力は2008年のマイナーチェンジで300PSにまでアップしている。

◆6速DCT「Twin Clutch SST」を新搭載

この新エンジンに組み合わされるのは6速DCTの「Twin Clutch SST(Sport Shift Transmission)」。MTも用意されるが、従来モデルに設定された6速ではなく新開発の5速となるなど、あくまでもDCTモデルが中心のモデルとなった。

Twin Clutch SSTは、1、3、5の奇数段と2、4、6速の偶数段それぞれ3軸の3速トランスミッションを並列に組み合わせ1つの出力軸に駆動力を伝達する構造となっていて、偶数段で走行している時は、走行状況に応じ前後の奇数段がスタンバイ。クラッチを繋ぎ変えることで変速を行う。変速モードは、「ノーマル」「スポーツ」「スーパースポーツ」の3種類があり、スイッチによってドライバーがセレクトする。

◆四輪制御は「S-AWC」へと進化、足回りも強化

ランエボXに搭載されるシャシーコントロール技術は「S-AWC」と名付けられた。これは、従来のランエボにも搭載されていたACD(アクティブセンターディファレンシャル)とAYC(アクティブヨーコントロール)、ASC(アクティブスタビリティコントロール)、そしてABSの4つのシステムを統合的に制御するもので、安定性と安全性を飛躍的に高めた。

従来のシステムに比べ「S-AWC」は通常走行から限界走行、緊急回避時など様々なシチュエーションで運動性能を向上させながらも、制御を感じないシームレスな挙動を実現しているのが特徴で、安全性を維持しながらも誰もが速く楽しく走ることを可能にする制御システムとなっている。走行モードは3種類。舗装路走行に合わせた「ターマック」、悪路走行に適した「グラベル」、雪道走行に対応する「スノー」で構成されている。

10代目ランエボの足回りは、ワイドトレッド化に加えハイグリップな18インチタイヤの装着に合わせて大幅に剛性アップ。ジオメトリーの最適化により路面追従性を高めている。さらに、GSR-Premiumに標準で、GSRにオプションでビルシュタイン製のショックアブソーバーとアイバッハ製コイルスプリングを用意している。ブレーキには赤いキャリパーが目を引くブレンボ製のベンチレーテッドディスクブレーキを採用。制動力と耐フェード性向上のために大径化されている。

現行モデルの生産終了がアナウンスされ、その進化の歴史にいったん幕を下ろすランサーエボリューション。スバル『インプレッサ WRX』(現『WRX』)と切磋琢磨しつつ、スーパーカーにも匹敵するパフォーマンスを300万円台で実現してきた歴代ランエボは数多くの熱狂的なファンを生み出してきた。ランエボは日本の自動車業界とモータースポーツの発展にもたらした偉大な功績は忘れ去られることはない。“ランエボ第二章”として、近い将来に復活を遂げることを期待したい。

《橋本 隆志》

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