【ホンダ NM4 試乗】形だけでなく走りも近未来…和歌山利宏

モーターサイクル 新型車
ホンダ NM4(和歌山利宏)
ホンダ NM4(和歌山利宏) 全 17 枚 拡大写真

ホンダ『NM4』は、全く新しい形の近未来イメージの二輪車である。基本を「NC750」シリーズから流用し、エンジンの公表性能諸元値も変わらないが、車体はキャスター角を大幅に寝かし、ホイールベースを長大化、低シート高を実現するため、フレームはディメンジョンやシートレールを変更した専用設計品となっている。

他車と共用化を図っているとは言え、見た目にもNM4は、やはり独自形である。モーターサイクルとスクーターの混血児のようであり、ロー&ロングのフォルムはクルーザーのようでもある。

実際に跨っても、シート高は見事に低く、クルーザーでもここまで足着き性の良いものはあまりない。そして、脚を前方のフットボードに伸ばし、いわゆるフォワードコントロールスタイルに身構え、上体が起きた自然体のまま腕を伸ばせば、そこにハンドルがあるといった具合だ。

バックレストやシートストッパーを兼ねるピリオンシートは、前後4ポジションに位置調整できるので、小柄なライダーでも脚が伸び切ることなく、ブレーキペダルを操作することもできる。低重心感もあって、跨っていて安心で、心地良くもある。

目の位置も低く、走り出しても大地を直に感じることができるのは、新鮮な感覚で楽しい。目の前に計器盤と風防があって、マシンの中に座っている感覚であることからすると、普通のバイクではバイクを上から目線で見ているみたいだ。

スロットルを開き、オートマチックシフトに任せて、いつものように加速していくと、意外にも、身体が置いていかれそうになった。ライポジのせいもあろうが、エンジンも低中速を重視した特性になっているのだ。

デュアルクラッチによるオートマチックシフトも、新しいNC750シリーズ同様、秀逸で、自動的に意思に沿ったシフトが行われていく。

こうしたライポジと特異な車体ディメンジョンもあって、コーナリングには不安が過ぎったが、それも最初の一瞬だけ。実に素直なのである。しかも、高速安定性も高く、今日的なロードスポーツの水準にある。

そればかりかハンドリングには、舵角を与え、ステアリングで方向を定めてから、寝かしこむという基本が造り込まれていて、スポーツそのものである。バックレストを起こすと、寝かし込む際の体幹移動を背中で感じることができ、それも新しいスポーツ感覚と言える。

スポーツクルーザーのように楽しめて、収納スペースの設置など利便性も考慮されていて、スクーターのように使うこともできる。スタイリングだけでなく、実際の走りも近未来イメージのNM4であった。

《和歌山 利宏》

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