【ホンダ ヴェゼル 試乗】走りは良好、17インチ使用の硬い乗り心地はいただけない…松下宏

試乗記 国産車
ホンダ ヴェゼル
ホンダ ヴェゼル 全 22 枚 拡大写真

ヴェゼルはフィット系の基本プラットホームや採用技術を使って作られたクロスオーバー車だ。基本は都市型SUVで、これにミニバン的な使い勝手の良さと、クーペ感覚のパーソナル性を融合させ、1台のクルマに集約した。

【画像全22枚】

外観デザインはフロント回りがSUVらしい力強さを表現すると同時に、緩やかに弧を描いたルーフラインはクーペを思わせる雰囲気を持つ。ボディサイズは全幅が1770mmの3ナンバー車ながら、全長は4295mmで比較的コンパクトなサイズに収められた。

インテリアは品質感にこだわった作り込みが注目される。ピアノブラック調のパネルを使ったコンソール、ステッチ入りのソフトバッドを使ったスライド式アームレスト、インパネ前面のソフトパッドなど、いろいろな要素がひとクラス上のクルマの雰囲気を演出している。

パワートレーンは2種類で、1.5リットルガソリンエンジンを基本に、1.5リットルエンジン+電気モーターのハイブリッド車も用意される。というか、売れ行きを見るとハイブリッド車が圧倒的な比率を占めているから、ハイブリッド車を作ると同時にガソリン車も設定したという感じだ。

ハイブリッドシステムは最新のフィットと同じ「i-DCD」で、モーターを内蔵したデュアルクラッチを採用する。かつてホンダが採用していた「IMA」に比べると、格段に高度なシステムになり、EV走行も可能になった。

フィットからの車両重量増に対応し、ヴェゼルではエンジンを直噴化して動力性能を向上させている。エンジンとモーターを合わせた総合的なシステム出力は112kWだから、2.0リットル級のエンジンに匹敵する性能を持つ。

じんわりとアクセルを踏んで走り出すと、最初はモーターだけで動き出し、すぐにエンジンが始動する。振動や騒音がそのことがすぐに分かるが、このあたりはもっと静かでも良いように思う。変速時のショックが抑えられているのは、モーター内蔵タイプのツインクラッチであることが貢献している。

ガソリン車も悪くなかった。というより相当に良かった。モーターのアシストがない分だけ動力性能は劣るが、ガソリン車は車両重量が軽いので、走りに遜色がない感じなのだ。

初期受注ではハイブリッド車が圧倒的に良く売れているというが、ガソリン車にも案外捨て難い魅力があると思う。

ヴェゼルの足回りは必ずしもほめられた感じではなかった。特に大きめの17インチタイヤを履いた仕様が良くなかった。乗り心地が硬くて突き上げがあり、バタついた感じの足回りだったからだ。

ザックス製のダンパーを使って足回りにコストをかけたようだが、それが必ずしも功を奏した感じにならなかったのが17インチタイヤを履いたヴェゼルである。

今回のヴェゼルには、アクセルの踏みすぎを抑えて燃費の貢献するリアクティブフォース・ペダル(ハイブリッド車)を始め、電子制御パーキングブレーキ(全車)などの最新装備が用意されている。

主要グレードには追突軽減ブレーキとSRSサイド&カーテンエアバッグをセットにした「あんしんパッケージ」も標準で付く。そのために価格設定がかなり高めになっている面もあるので、スバルの『XVハイブリッド』など比べて選ぶと良いだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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