三井住友建設は、太陽光発電による創エネルギー技術と、自然通風と採暖による省エネルギー技術とを融合させた独自の建材一体型太陽光発電システムを開発し、同社施設に導入した。
同社では、外壁面における創エネと建物の顔ともなるファサードデザインとの調和を目指すシステムの開発に取り組み、実建物への施工と導入効果の検証を実施してきた。
本システムは、「汎用的な太陽電池モジュールとデザインパネルで構成される外装(外装ユニット)」と、「設置角度が可変できる太陽電池ユニット(可変ユニット)」で構成される。
夏季には上下の可変ユニットを解放し、自然対流による通風により外装ユニット裏面の温度上昇を抑制することで発電効率を約4%向上させるとともに、外壁からの伝熱による冷房負荷のピーク値を約55%削減できる。
冬季には、下段の可変ユニットのみを開放し、外装太陽電池裏面にて暖められた空気を室内に導入することで、外気取り入れにともなう暖房負荷を約48%削減する。また可変ユニットは外壁の最下段と最上段に設置し、太陽高度に合わせて発電量が最大になる角度に調整することができる。
同社の施設に適用した本システムの構成は、可動ユニットが95W×3×2段に、外装ユニットが95W×42枚が加わり、総発電出力は4.56kWになる。