南海、7月にOTK全株式を取得へ

鉄道 企業動向

南海電気鉄道は5月15日、大阪府都市開発(OTK)の株式を取得して子会社化することを取締役会で決議した。

OTKは大阪府や関西電力などが出資する第三セクター。1965年12月、トラックターミナルの運営会社として設立された。1971年4月からは、南海電鉄高野線の中百舌鳥駅から分岐する泉北高速鉄道線の運営も行っている。当初は南海電鉄に運転管理を委託していたが、現在はOTKの直営になっている。

2008年に現在の橋下徹・大阪市長が大阪府知事に就任した際、OTK株を売却する方針を示し、大阪府は2013年6月に売却先の公募を実施。ローン・スターや南海電鉄など3社が資格審査を通過して本審査が行われた。このうちローン・スターは提示額(約781億円)が最も大きく、南海電鉄からの乗継運賃を10円値下げするなどの追加提案もあったことから、同年11月にはローン・スターが売却先に選ばれた。

しかし、次点の南海電鉄(約720億円)が泉北高速鉄道線の乗り継ぎ割引を80円としていたことが分かり、泉北高速鉄道線沿線の堺市などから反発の声が上がった。同年12月の府議会での採決でも大阪維新の会の議員4人が造反したことから売却計画が否決され、府は計画の見直しを検討。随意契約で南海電鉄に売却する計画に変更した。

南海の発表によると、大阪府の保有株式のほか関西電力など民間保有分も含むOTKの全株式を取得する。取得費用はOTK普通株式の749億5000万円と、アドバイザリー費用などの約6億5000万円で、合計約756億円。今後は大阪府議会の議決を経て7月1日にOTK株を取得する予定だ。

《草町義和》

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