積水化学、ウレタン系材料で初の「不燃材料」国交大臣認定

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不燃性ウレタンの原理
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積水化学工業(積水化学)高機能プラスチックスカンパニーは、ウレタン系材料による初の「不燃材料」国土交通大臣認定(国土交通大臣不燃材料認定 NM-3729)を取得した。

積水化学のウレタン系材料が認定を取得した国土交通大臣認定の不燃性試験は、発熱性試験とガス有害性試験の両方が行われ、発熱性試験では20分間継続して50kWの熱照射を受けても総発熱量が規定値以下であることが要求される。さらに最高発熱速度が10秒以上継続して規定値を超えないことや有害な貫通・亀裂がないことも評価される。

今回開発された「不燃性ポリウレタン」は同社の難燃化配合技術を駆使して開発されたもので、一般的な硬質ウレタンフォームは加熱されると一気に燃え広がるが、今回の開発品は加熱時に発現する特殊な炭化層により酸素と可燃ガスの結びつきを遮断し瞬時に延焼を抑制する構造となっている。

米国の燃焼性規格であるUL94の中で最も難燃性が高い5V-Aの基準も社内評価でクリアしており、今後取得に向けて手続きを進めるという。

従来のウレタンフォームは断熱性や軽量性を特長とし建築分野において採用されてきたが、一方で燃焼性の高さにより建築現場での小火も問題視されてきた。

今回開発した不燃性ポリウレタンは、定形化された製品だけでなく、吹き付けやコーキングによる施工も可能となるため、同社では建築物の断熱性と安全性を要求される部材へ応用することを検討している。

さらに成型用の型へ注入して自由な形に造形すること可能で、また軽量なため、車両・航空機や燃料電池、電気製品等の難燃・断熱・封止等の用途展開も期待されている。

《山内 博》

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