日産自動車がエンジンを供給し、2012年のルマン24時間レースなどに参戦した新世代レーシングカー、『デルタウイング』。日産がプロジェクトから脱退して2年が経過した今、デルタウイングに市販化構想が持ち上がった。
これは5月28日、デルタウイング・テクノロジー社が明らかにしたもの。レーシングカーのデルタウイングの技術を応用し、開発を計画する市販モデルに関して、そのデザインレンダリング画像を公開している。
レーシングカーのデルタウイングの特徴が、エアロダイナミクス性能を徹底追求して生まれた、絞り込まれたフロントノーズ。レースでの燃費に効果を発揮する軽量構造も、デルタウイングの特徴だった。
今回公開された市販モデルのデザインレンダリングでも、レーシングカーの基本デザインを継承。さらに、4名乗車を可能にする実用的パッケージングも持たせた。デルタウイング・テクノロジー社によると、公道走行に必要な法規を満たすという。
車体の後部に積まれるエンジンは、小排気量の4気筒エンジンを想定。最大出力は85-110psレベルとなる。目標性能は、0-96km/h加速6秒、最高速210km/h。目標燃費は、およそ30km/リットル。
デルタウイング・テクノロジー社では、OEMパートナーを探し、ライセンスを供与する形で、デルタウイングを市販車として生産に移す構想を掲げる。同社は、「デルタウイングの構造は35%軽量。35%少ないパワーで走行でき、燃費の35%向上を可能にする」と説明している。