【マツダ アクセラ XD 試乗】軽快な加速こそディーゼルの魅力…岩貞るみこ

試乗記 国産車
マツダ アクセラスポーツ XD
マツダ アクセラスポーツ XD 全 16 枚 拡大写真

ディーゼルのよさは燃費。一方、スポーティな走りに寄せる期待も高い。

トルクのあるディーゼルは、スタートダッシュはもとより、コーナリングから加速もいいのだ。ル・マン24時間でディーゼルエンジンが勝ち続けているのは、単にピットストップの回数が少ないだけというわけではないだろう。

ってなわけで『アクセラスポーツ』に追加されたディーゼルエンジンにはスポーティな上級グレードの立ち位置を与えられている。タイヤは18インチ。『CX-5』での「外から見たらディーゼルかなにか、わからない!」という不満を受けて、こちらではグリル内側を赤く塗装し、ツウにはわかるように仕立ててある。ついでと言っては失礼だが、インテリアもそこかしこに赤い糸のスティッチが施され、ドライバーとしては気分が上がる。

ドライビング・ポジションのとりやすさは、最近のマツダの最大の武器だろう。運転姿勢が決まればスポーティに、安全に、エコに、正確な走りがしやすくなる。もちろん疲労も軽減できるし。エンジンをかけると、お決まりのディーゼル音が響いてくる。さすがに、ガソリン同様に静かとは言いがたいけれど、不快の域には達しない。走り出せば風きり音やロードノイズに打ち消されるし、信号待ちで止まっているときはエンジン・ストップするため、音が気にならないのだ。

最大の魅力はその加速。アクセルを踏むとすぐに最大トルクが出るエンジン回転数2000に到達し、ぐーんと背中を押してくれる。その気持ちよさといったらない。あまりの頼もしさに、2000回転になるまでのごくわずかな時間も、なくなればいいのにと高望みをしてしまうほどだ。いいなあ、ディーゼル。MTで走れば、もっと気持ちがいいことは間違いないだろう(今回の試乗車は6AT)。

さて、気になる燃費は、市街地~高速と走って16km/リットルくらい。速度や信号の回数で数字はかなり変わるので参考程度にしていただきたいが、感覚としては「もう少し走ってくれてもいいのにな」である。燃料タンクが51リットルなのだが、ワンタンクで700kmも走ると、ガス欠しそうでちょっとドキドキしはじめるのが残念。ディーゼルのよさは、燃費そのものもあるけれど、ワンタンクでがっつり走れることもあるのだが。もっとも、カタログを開いてみると、燃費(JC08)は『アテンザ』より悪い。つまり、燃費の悪さ(悪いという漢字を使うには抵抗があるが)は確信犯なのだ。アクセラスポーツは、単に燃費を追求したのではなく、スポーティ走行に振っている。この軽快な加速ゆえの燃費なのである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ │ モータージャーナリスト/ノンフィクション作家
女性誌や一般誌、ラジオなどで活動。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーと、救急医療を通じて衝突安全を中心に取材をするほか、近年はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。チャイルドシート指導員。国土交通省安全基準検討会検討員。同・リコール検討員。同・独立行政法人評価委員会臨時委員他、委員を兼任。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. これが最後のガソリンエンジンか!? BMW『X5 M』が歴代最強の700馬力オーバーに
  2. スイスポ最終モデルの完全進化形! BLITZが手掛けた“走りと快適”の完熟セットアップPR
  3. 「効き」の違いが分かる!プロが教えるLSDベストセッティング入門~カスタムHOW TO~
  4. 月額500円、新型ドライブレコーダー付き自動車保険 東京海上日動が2026年1月に発売
  5. BMWの電動スクーター『CE 04』、3つの新デザインバリエーション発表
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  4. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
  5. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
ランキングをもっと見る