6月22日早朝、北海道のJR江差線札苅駅(木古内町)構内で貨物列車が脱線した。前日の21日午前には鹿児島県のJR指宿枕崎線で特急『指宿のたまて箱』が土砂に乗り上げ脱線する事故が発生。19日に起きた小田急電鉄の脱線事故も含め、ここ数日列車事故が続いている。
JR北海道などの発表によると、22日午前4時15分ごろ、札幌貨物ターミナル発宇都宮貨物ターミナル行きの21両編成(機関車+コンテナ貨車20両)のコンテナ貨物列車が江差線の札苅駅構内を走行中、非常ブレーキが動作して列車が停止。運転士が確認したところ、後ろから2両目の貨車(コキ107-87)の後部2軸が脱線、最後尾の貨車が約17m分離していた。けが人はなかった。
事故の影響で、青函トンネルを含む五稜郭~津軽今別間は運転を見合わせている。現在のところ復旧の見込みは立っていないという。
事故が発生した区間は、6月4日に高速軌道検測車による線路計測を実施したという。江差線では、2012年4月26日と9月29日にも今回の現場から近い釜谷~泉沢間でコンテナ貨物列車が脱線する事故が発生しており、運輸安全委員会が調査を行っている。
21日のJR九州指宿枕崎線の事故は、同線の生見(鹿児島県鹿児島市)~薩摩今和泉(指宿市)間で11時10分ごろ発生。線路内に流入した土砂に、指宿発鹿児島中央行きの特急『指宿のたまて箱2号』(2両編成)が乗り上げて脱線した。同線は22日現在、喜入~指宿間で運転を見合わせており、鹿児島中央~喜入間、指宿~枕崎間で折り返し運転を行っている。
2014年は各地の鉄道で事故が相次いでいる。1月11日に千葉県の銚子電鉄笠上黒生駅構内(ポイントで脱線)、2月13日に大分県のJR久大線天ヶ瀬~杉河内駅間(倒木と衝突し脱線)、同15日に神奈川県の東急東横線元住吉駅構内(衝突)、同23日に神奈川県のJR京浜東北線川崎駅構内(作業車と接触し脱線)、3月16日に福岡県の甘木鉄道西太刀洗駅構内(踏切事故で脱線)と、踏切事故や倒木など外部の要因によるものも含め、1月~3月で列車の脱線を伴う事故が5件発生。さらに6月19日には神奈川県の小田急電鉄相模大野駅構内で回送電車の脱線事故が発生している。