商船三井は、次世代船構想「船舶維新」プロジェクトのシリーズ船「ISHIN-III」の中核的要素技術「高効率排熱エネルギー回収システム」を搭載した船が竣工したと発表した。
高効率排熱エネルギー回収システムを搭載した大型ばら積み船『AZUL BRISA』がジャパン・マリンユナイテッドの有明事業所で竣工した。この船は洋上での試運転で、5%以上の燃料消費量削減効果を確認したとしている。
高効率排熱エネルギー回収システムは、主機関の排気エネルギーを、発電機能を持つハイブリッド過給機と、蒸気タービンを組み合わせたターボジェネレーターで回収、そして発電する。
この電力は、船内の電力をまかなうとともに、主機関の軸加勢モーターを介して推進にも利用。発電機と主機関の燃料消費量を減らすことで、CO2の低減に貢献する。
高効率排熱エネルギー回収システムは、商船三井が2010年4月に発表した次世代船シリーズ「ISHIN-III」の舶用エンジンの未来像の実現に向けたステップのひとつ。同社では引き続き、船舶の環境負荷低減に向けた技術開発に取り組んでいくとしている。