【トヨタ ヴィッツ 試乗】1.3リットルの14インチタイヤ装着車がお薦め…青山尚暉

試乗記 国産車
トヨタ ヴィッツ
トヨタ ヴィッツ 全 15 枚 拡大写真

『オーリス』から採用されたつり目の“キーンルック”をまとったマイナーチェンジ版『ヴィッツ』の本当のハイライトは燃費性能の向上にある。

新開発の1.3リットルガソリンエンジンはハイブリッド専用エンジン開発で培ってきた技術を惜しみなく投入。アトキンソンサイクルや高圧縮比化、新形状吸気ポート、クールドEGR、電動連続可変バルブタイミング機構(VVT-iE)などによって世界トップレベルの最大熱効率を達成している。

燃費性能はごく自然に作動するアイドリングストップを備えたこともあって、従来の21.8km/リットルから一気に25.0km/リットルへと約15%も向上(2WD車)。同時に3気筒の1リットルガソリンエンジンもアイドリングストップ付き2WD車で24.0km/リットルの燃費性能を実現した。

さらに操縦安定性を向上させるためスポット増し(約30点)などのボディー補強を行い、シール材の追加などによる静粛性向上も図られている。つまり、顔を変えただけじゃない、単なるマイナーチェンジの域を超えたビッグチェンジといっていい大改良なのである。

1リットルモデルは3気筒感をそれなりに感じさせるが、エンジンに柔軟性があり、普段使いなら非力を感じさせることはまずないと思う。

ラインアップの中で唯一、新エンジンではない1.5リットルのRSはまさにボーイズレーサーを思わせるルックスと16インチタイヤによる重厚な乗り味&スポーティーなフットワークがらしさである。中低速域ではかなり硬めに感じる乗り心地は速度を高めるほどサスがよく動き、しなやかになる設定だ。

が、新型ヴィッツの真打ち、お薦めは間違いなく燃費性能でも突出する1.3リットルモデル、それも14インチタイヤ装着車だろう。

新エンジンは中高回転域で室内に侵入するこもり音こそ気になるものの、巡行時はそこそこ静か。大人3名乗車でも不足ない動力性能を発揮する。特に乗り心地はシリーズ最良。もっともしなやかで、なおかつ安心感ある適度なロールを許す快適なタッチが好ましい。初代ヴィッツにあったフレンチコンパクト的テイストを思い出してしまった。ちなみに15インチのエコスペシャルタイヤとの組み合わせだと、乗り心地は硬めに感じられる。

もちろん、経済性でも14インチタイヤが有利。走り方によっては20km/リットルを切らない実燃費性能が手に入る。

ちなみにボディーカラーは全17色もあるが、キーンルックがもっとも際立ち、新型らしさ満点なのは鮮烈なルミナスイエローのボディーだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★
ペットフレンドリー度:★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、ドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

《青山尚暉》

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