【パイクスピーク14】三菱を優勝に導いた増岡選手の“虎の巻”

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三菱増岡選手がコースのシミュレーションをおこなうために作成した“巻き物”。まさに勝利への虎の巻だ。
三菱増岡選手がコースのシミュレーションをおこなうために作成した“巻き物”。まさに勝利への虎の巻だ。 全 24 枚 拡大写真

「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム2014」で三菱は3年目にして悲願のEVクラス初優勝を遂げた。監督兼ドライバーを務めた増岡浩選手は3日におこなわれた凱旋会見のあと、一部報道陣に向け2つの“巻き物”を公開した。

レーシングスーツのポケットから取り出したその“巻き物”とは、パイクスピークのコースが描かれた地図をつぎはぎして作られた、手作りのナビゲーションマップだ。

パイクスピークのコースは、156か所ものコーナーが織りなす全長約20kmの過酷な山道。普段は片側一車線の一般道として使われているが、レースではこれを最大200km/hにのぼる速度で駆け上がる。天候の変化も激しく、コースの先読みができなければ、順位を上げられないだけでなく、事故や転落につながる。増岡選手は現地に赴く前からこの巻き物を手に、繰り返しコースのシミュレーションをおこなっていたという。

その巻き物には手書きで、コーナーの角度や速度、路面状況やベストなクリッピングポイントなどがびっしりと書き込まれていた。「これを全部覚えるんですよ。声で録音して流しながら走ったこともありますが、クルマが速過ぎて言い終えるまでに次のコーナーが来てしまう。全然だめでした」と、増岡選手は笑う。

さらに増岡選手は、もうひと巻の巻き物も披露。「コマ割り」と呼ばれるこの巻き物にはコーナーの角度が矢印で示され、進入/退出速度などが書き込まれていた。同乗者がいるラリーなどで使うものだそうだが、あえてパイクスピークでもこれを作成し、イメージトレーニングに励んだそうだ。

三菱は今回、EVクラスで1-2位を独占。全エントリーを含めた総合順位でも2-3位につける快挙を成し遂げた。この巻き物は、30年にわたるレーサー生活と、長年のダカールラリーでの経験、そして過去2回のパイクスピークへの挑戦から生まれた、勝利への「虎の巻」といえるだろう。

《宮崎壮人》

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