防衛省統合幕僚監部は7月9日、2014年度第1四半期の緊急発進(スクランブル)実施状況を発表した。2014年4月1日から6月30日までの緊急発進は340回だった。期間中に領空侵犯は発生していない。
前年同期と比べて225回増で、発生回数で約3倍に大幅増加している。これは四半期ごとに緊急発進回数を発表し始めた2005年度以来最大。国別の割合はロシア機が約70%、中国機が約30%で、回数増加の要因は対ロシア機へのスクランブルが増えていることになる。
方面隊別では北部航空方面隊が113回、中部航空方面隊が65回、西部航空方面隊が58回、南西航空混成団が104回だった。ロシア機による飛行が日本列島に沿った形で行われるため、各方面隊とも回数が前年同期に比べ大幅に増え、北部航空方面隊の増加幅が6倍近くになっている。
ロシア機への緊急発進では、特に4月13日から19日にかけては7日間連続して28件もの飛行があり、これは特異な飛行として公表された。一方、尖閣問題がある中国機への対応も合計104回と前年同期比で35回増加している。
推定を含めて、対ロシア機の場合は情報収集機に対しての緊急発進が多く、対中国機については戦闘機に対する緊急発進が多かった、としている。