【新聞ウォッチ】さらば日産、「インフィニティ」の外国人トップ”GM入り”の理由

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GMキャデラック部門の社長に8月1日付けで就任するヨハン・ダ・ネイシン氏
GMキャデラック部門の社長に8月1日付けで就任するヨハン・ダ・ネイシン氏 全 1 枚 拡大写真

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2014年7月14日付

●女性登用促進へ新法、政府方針(読売・1面)

●ひき逃げ女性3人死亡、1人重傷酒気帯びか男を聴取、北海道・小樽(読売・1面)

●TPP合意11月正念場オタワ交渉閉幕(読売・3面)

●人気商品開発ヒストリー、「ハスラー」スズキ、ユーザーを取材アイデア続々(産経・10面)

●カーリース、個人向け拡大、利用も長期(産経・15面)

●女性管理職登用に目標、トヨタや三井物産、20年に3倍 (日経・1面)

●夏のボーナス8.48%増、バブル期上回る伸び、製造業けん引本社最終集計(日経・1面)

ひとくちコメント

日産自動車のカルロス・ゴーン社長は「世界規模で最も優秀な人材を獲得するにはグローバル企業の報酬水準に合わせる必要がある」と意気込んではいるものの、せっかくスカウトしても、短期間のうちにライバル企業に引き抜かれてしまうようでは元も子もない。

香港に拠点をおく日産の高級車ブランド「インフィニティ」事業を統括するヨハン・ダ・ネイシン専務執行役員が、この7月末で退社して、8月1日付で米ゼネラル・モーターズ(GM)の上級副社長兼「キャデラック」部門の社長に就任するという。

米の有力自動車専門誌が報じたほか、日経も7月12日の朝刊で「日産『インフィニティ』事業 外国人トップGMへ」などと伝えていた。その後、GMがこの人事を正式発表したことで毎日なども取り上げている。

記事によると、ネイシン氏は、2012年7月に独アウディの米国法人アウディオブアメリカ社長から日産へ移籍したばかりだった。同氏はアウディ日本法人の社長を務めたこともあり、アウディでは20年間もの経歴を持つ。独BMWに在籍した経験もあるなど、高級車ブランドを渡り歩いた実績を買われてのヘッドハンティングだったようだ。

ネイシン氏の退社について、日産は「『一身上の都合』(日産広報)」(日経)としている。日産でのネイシン氏の役員報酬は1億円未満のため非公開だが、執行役員のなかでは19番目という序列からも「満足する報酬ではなかった」とも察せられる。

ちなみに、13年度の役員報酬が9億9500万円のゴーン社長に対し、GMのバーラCEOは14億7000万円。欧米などのグローバル企業では経営陣の流動化は珍しくはないが、日産とGMの報酬の差を比べてみても、有能と思われる人材をあっさりと逃がしてしまうようでは、日産のグローバル化もまだまだ先の話のようだ。

《福田俊之》

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