【池原照雄の単眼複眼】上期のHV比率は38%と最高に…国内登録乗用車市場

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トヨタ・アクア
トヨタ・アクア 全 4 枚 拡大写真
◆全34車種で53万台を販売

2014年上期(1~6月)の国内新車市場でハイブリッド車(HV)の勢力が一段と増した。日本メーカーの乗用車HVの販売台数(PHVを含み簡易型は除く)は、前年同期を35%上回る53万774台と、登録乗用車の伸び率7%を大きく上回り、半期ベースでは過去最多となった。この結果、登録乗用車販売(外国メーカー車除く)に占める比率も、前年を7.7ポイント上回る37.6%と、これまでで最高になった。

6月末時点で市場投入されているHVの国産乗用車は車名ベースで34車種と、前年同期から7車種が加わった。最大手のトヨタ自動車の車種展開が加速したのに加え、新たにマツダも『アクセラ』に設定。乗用車メーカー8社のうち、HVの設定がない軽自動車販売を主体とするスズキを除く7社が市場参入した(ダイハツはトヨタからのOEM調達)。車名別での上期のHV販売上位5車種は次のようになっている。

○上期の車種別HV販売台数(カッコ内は前年同期比増減率%、▲はマイナス)
1)アクア  123,637(▲6.6)
2)プリウス  103,974(▲21.5)
3)フィット  75,965(2.2倍)
4)ヴェゼル  37,693(―)
5)カローラ  33,842(―)

◆ガソリン車併売モデルでも高い人気

トヨタのHV専用車が、ともに前年同期割れとなりながらも上位2モデルを占めた。『アクア』は上期の登録車販売でもトップとなった。これらに続いて昨年9月に全面改良した『フィット』、さらに同年12月に新登場となった『ヴェゼル』のホンダ勢が続いた。この2モデルは発売後に度重なるリコールがあったものの、足元でも根強い人気を持続している。両モデルの販売全体に占めるHV比率はフィットが62%、ヴェゼルは87%に達している。

トヨタのガソリン車との併売モデルでもHVの比率が高まっている。昨年8月に設定された『カローラ』シリーズでは上期の比率が53%、12年末に従来からエンジン排気量をダウンサイズしたHVに変更した『クラウン』も71%だった。


◆トヨタとホンダは登録乗用車での比率が過半数超えに

トヨタとホンダは、登録乗用車(軽自動車除く)全体に占めるHV比率も過去最高となって、いずれも過半数に達している。トヨタのHV販売は、前年を13%上回る約37万1000台で、比率は50.3%となった。レクサスを含むHVモデルが前年6月末時点より6モデル増えて22モデルとなったことが寄与し、HV比率は前年の46.3%から4ポイント拡大した。ブランド別のHV比率はトヨタが49.4%、レクサスが80.4%だった。

ホンダの上期のHV販売総数は前年実績の2.3倍に相当する約13万4000台。登録車に占めるHV比率は53.4%となり、前年(37.0%)から大幅な拡大となった。今後は日産自動車などもHVやPHVの投入を図る方針であり、軽自動車以外のカテゴリーではHVの比率が持続的に高まっていく展開となる。

《池原照雄》

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