【日産 エルグランド スマートルームミラー装着車 試乗】普通のミラーに戻れなくなるクリアな後方視界、ビッグマイナーで3つの大変化…萩原文博

試乗記 国産車
日産 エルグランド 250ハイウェイスタープレミアム スマートルームミラー装着車 試乗
日産 エルグランド 250ハイウェイスタープレミアム スマートルームミラー装着車 試乗 全 17 枚 拡大写真

2014年3月に開催されたジュネーブモーターショーで発表した安全支援装備の「スマートルームミラー」。リアガラス内部に装着されたカメラで撮影した後方の交通状況を、ルームミラーに内蔵された液晶モニターで確認できるという便利な装備だ。6月よりこのスマートルームミラーが6万円(取付工賃・消費税込)で『エルグランド』と『エクストレイル』にディーラーオプションとして設定された。さっそく注目の新装備、スマートルームミラーをLサイズミニバンのエルグランドでインプレッションを行った。

エルグランドは、「キング・オブ・ミニバン」の称号奪還を掲げて2014年1月にビッグマイナーチェンジを行ったばかり。改良に加えて、この新装備の設定でさらに魅力が高まったといえる。今回はビッグマイナーチェンジの際に設定され、現在一番人気の「250ハイウェイスタープレミアム」で試乗を行った。

ネガな部分を消し去ったビッグマイナーチェンジの3つのポイント

まず、スマートルームミラーを紹介する前に、エルグランドのビッグマイナーチェンジを確認しておきたい。エクステリアは「250XG」を除くハイウェイスターは高級感と押し出し感の両立を狙い、ヘッドランプ、フロントグリル、そしてフロントバンパーのデザインを一新。注目のフロントグリルは全周をクロームメッキで囲み、クラス最大級の大きさを誇る。

インテリアはスペースの拡大と質感の向上をテーマに、フロントシート部のヘッドクリアランスを+20mm、セカンドシート部の室内高を最大+25mm拡大。その結果、前席の開放感が増すとともに、ウォークスルーといった室内での動きがスムーズにできるようになった。

そして試乗車の250ハイウェイスタープレミアムは高級感の際立つグランドブラックインテリアを採用。カラードクロムを配した専用のグラデーションブラックメープルフィニッシャーとシートステッチにアンバーのアクセントを施したダイヤ型キルティングのブラックメタリックレザーシートを組み合わせている。

大幅に変更したのがラゲージスペース。ライバル車の『アルファード/ヴェルファイア』はゴルフバッグを縦置きできるのだが、マイナーチェンジ前のエルグランドはできなかった。そこで3列目シートに前方向へ240mmのスライド機能を追加。さらに後部のラゲージボードの高さを150mm程度下げられるようにしたことで、3列目シートに人が座っていても9インチのゴルフバックを最大6個積載できるようになり、ラゲージの利便性はライバル車と互角となった。

一度体験するともう戻れないスマートルームミラーの魅力

ゴルフバッグが縦積みできるようになるなどラゲージスペースの利便性が高まったとしても、後方視界が妨げられてストレスになるようでは元も子もない。その不安を解消するために液晶モニターとルームミラーを任意に切り替えられる世界初の「スマートルームミラー」をディーラーオプションで設定したのだ。これによって荷物の積載時をはじめ、降雨時、夜間や日中でも暗い立体駐車場など様々なシーンにおいてもドライバーはクリアな後方視界を確保できるのだ。

モニターの状態にしておけば通常のルームミラーと異なり、ドライバーが変わってもミラー位置の修正は必要なし。またカメラはズーミングをはじめ明るさや高さの調整、セカンド&サードシートを薄く写し込むことができるので、ドライバーは好みに合わせてベストの設定が選択可能だ。

今回はエルグランドでスマートルームミラーを体験したが、試乗開始時は距離感がつかめず後続車の近さに驚くシーンもあった。しかし途中からは切り替えることなくカメラ映像で走行してしまった。なぜならトンネルなど暗い場所や降雨時のモニターに映し出されるクリアで明るい画像を体験してしまうと、もう通常のミラーに戻る気がおきなかったからだ。1月のビッグマイナーチェンジ後の車両であれば装着可能なので、後期型エルグランドオーナーは販売店へ急ごう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

萩原文博 | フリーランスライター
中古車情報誌「カーセンサー」の編集部に大学在学中から18年在籍し、フリーランスの編集者となる。新車、中古車を問わずお得な買い方を紹介するバイヤーズガイドなどを得意とする。常に中古車相場をウォッチし中古車相場師とも呼ばれている。

《萩原文博》

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