【インタビュー】ガヤルド から10年、顧客の志向性は変わった…ランボルギーニ ヴィンケルマンCEO

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【インタビュー】ガヤルド から10年、顧客の志向性は変わった…ランボルギーニ ヴィンケルマンCEO
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ランボルギーニの最新作となる、ウラカンLP610-4のジャパン・プレミア・イベントが、7月17日に東京で行われた。それに先立ってランボルギーニは、このウラカンのパフォーマンスを味わうために、サンタアガタ・ボロネーゼの本社から、南フランスに位置するポール・リカール・サーキットに至る、約600kmのルートを設定して、メディア向け試乗会を開催。同サーキットでは、ランボルギーニ社CEOのステファン・ヴィンケルマン氏が、インタビューに応じた。

----:創立50周年のアニバーサリーイヤーとなった昨2013年も、ランボルギーニはさらなる成長を続けました。

ヴィンケルマン:年間販売台数は、2012年が2083台、昨2013年は2121台という数字でした。2003年に誕生して以来、これまでに1万4000台以上を販売した『ガヤルド』は、11月末にその生産を終了しましたが、一方で12気筒モデルのアヴェンタドールは、2013年にはフルイヤーでの生産が行われ、結果的に1001台を販売が可能となりました。2121台という年間販売台数は、私自身にとって十分に満足できるものでありますし、2014年はもちろんこれ以上の数字を目指します。

----:スーパースポーツの市場において、ランボルギーニが好調なセールスを続ける理由は何処にあると思われますか。

ヴィンケルマン:まず触れておかなければならないのは、我々がスーパースポーツ・ブランドの中でも、技術革新というものに対して、非常に積極的な姿勢を貫いていることでしょう。同時にスーパースポーツの購入を考えるカスタマーが、それに対してどのような志向性を持っているのかを正確に把握することも重要です。その象徴的な例といえるのが、今回発表したウラカンです。

ウラカンはガヤルドの後継車として我々がスーパースポーツ市場に投じるモデルではありますが、そのコンセプトはガヤルドとは異なるのです。ガヤルドの誕生から10年以上の時間が経過し、カスタマーがスーパースポーツに求めるもの、つまり志向性にも変化が表れました。ウラカンの場合には、究極的なパフォーマンスと同時に、日常性を重視しています。

----:好調なセールスを背景に、ランボルギーニのセールスネットワークは、すでに世界46か国、129拠点にも達しています。

ヴィンケルマン:我々の市場が、非常にバランスの良いものであることも、強調しておかなければなりません。2013年の販売比率では、北米が36%、欧州が34%、アジアパシフィックで30%という比率でしたが、このバランスこそがランボルギーニの経営を安定させている大きな理由なのです。日本は、ここ最近の成長が著しい中国ほどのサイズは持っていませんが、今後さらなる成長の可能性を秘めた市場であると考えられます。ランボルギーニというブランド、そして商品に対する正確な理解、そして性能や品質に対しての厳しい評価基準。それらを含め、日本市場は我々には非常に重要な市場といえます。

----:ランボルギーニがさらに成長するためには、さらなる投資が必要と考えますか。

ヴィンケルマン:研究開発に対しての投資は特に重要です。昨年ランボルギーニは、売上高の約20%を、新たな研究開発のために再投資しました。これは自動車メーカーとしてはきわめて大きな数字といえます。他社の平均的な数字は、おそらく5%以下でしょう。人材への投資も同様です。2013年には100人以上の従業員を新規に雇用し、総従業員数は1110名に。このうち300名は過去3年以内に新規雇用された人材となっています。

----:ウラカンは、スーパースポーツ市場で、ガヤルド以上の大きな成功を収めることになるでしょう。さらに数年後には、『アヴェンタドール』、ウラカンに続く、新たなモデルがSUVスタイルで誕生するとも噂されています。販売台数が急激に増加することは、ランボルギーニというブランドが持つ、プレミアム性を低下させてしまうことになるとは考えられませんか。例えばフェラーリはすでに、年間販売台数に7000台という上限を設定し、それによってプレミアム・ブランドとしての価値を保つプランを打ち出しています。

ヴィンケルマン:我々は、フェラーリほどに大きなサイズのメーカーではありません。ウラカンの生産がフルイヤーで行われるようになり、さらにニューモデルが誕生したとしても、年間生産台数は4000台から5000台が上限でしょう。この数字がプレミアム性に大きな影響を及ぼすとは思えません。

----:ウラカンには、これからどのようなバリエーションが追加されていくのでしょうか。

ヴィンケルマン:8月中旬には、カリフォルニアのペブルビーチで、ウラカンをベースとしたワンメークレース車両、すなわち次世代のスーパートロフェオを発表する予定です。ランボルギーニ・スーパートロフェオは、現在では世界で3シリーズが開催され、カスタマーから高い人気を博しています。2015年シーズンは、ウラカンとガヤルドの両モデルがエントリー可能となるでしょう。その先の追加モデルに関しては、現在の段階では、その詳細をお伝えすることはできません。

《山崎 元裕》

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