月に新発見…中国地質大学など、地下深くに軟らかい層の存在を確認

宇宙 科学
研究成果に基づく月内部構造の想像図
研究成果に基づく月内部構造の想像図 全 3 枚 拡大写真

中国地質大学などの研究者を中心とする国際共同研究チームは、月の地下深くに軟らかい層が存在することと、その層の中では地球の引力によって熱が効率的に生じていることを明らかにした。

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今回の発見は、月の中が未だ冷え固まっておらず、地球が月に及ぼす力によって、月の中は今も温められ続けていることを示唆している。

研究成果は、月周回衛星「かぐや」(セレーネ)などで精密に測定した月の形状変化を、理論的な計算による見積もりと比べることによって得られた。今回の研究結果は、地球と月が生まれてからこれまで、互いにどのように影響を及ぼしながら進化してきたのかを考え直すきっかけとなる。

惑星や衛星といった天体の生い立ちを明らかにするためには、天体の内部構造や熱的状態をできるだけ詳しく知ることが必要となる。遠方にある天体の内部構造を知るためには、外部からの力による天体の変形を詳しく調べることで、天体の内部構造や状態を知る手がかりを得ることができる。

天体の形が他の天体の引力によって変化することを「潮汐」と呼ばれる。地球の海の潮の満ち引きは、月と太陽の引力によって引き起こされる潮汐の1つで、海の水は変形しやすいために大きな変位が観測される。潮汐によって天体が変形する度合は、天体の内部構造、特に天体の内部の硬さに依存する。

逆に、天体の変形具合を調べることによって、目では直接見えない天体の内部を探ることができる。

月の内部構造は、月探査によって精密に測定した月の形状変化を説明できなかった。そこで研究チームは、どのような月の内部構造であれば観測された形の変わり方を説明できるのか、理論的な計算によって調べた。

研究チームは、月の深部の構造に着目した。アポロ計画で取得された、月の地震観測のデータに基づく月の内部構造を解析した結果によると、月は大まかに、金属でできた「核」と呼ばれる内側の部分と、岩石でできた「マントル」と呼ばれる外側部分の2つに分かれていると考えられている。

月のマントルの最下部に軟らかい層が存在すると仮定し、観測されている潮汐による月の変形を上手く解釈できることを突き止めた。過去の研究で、月のマントルの最も深い所では岩石の一部が溶けているという可能性が指摘されてきた。部分的に溶けた岩石は軟らかくなるため、研究結果はその仮説を支持する。

今回の研究によって初めて、観測結果と理論計算から月のマントルの最深部が軟らかいことが証明された。

このほか研究チームは、マントル最深部の軟らかい層の中で潮汐によって効率的な発熱が起こっていることも明らかにした。

研究チームは、マントル最深部の効率的に発熱する軟らかい層が核を包むようにして存在していることから、現在でも核を温め続けていると考えている。過去においても、このような軟らかい層が核を効率的に温めていたのではないか、とも予想している。

《レスポンス編集部》

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