ワイドボディの死角も安全にサポート…ハイエース 用「マルチカメラシステム」

自動車 ビジネス 国内マーケット
データーシステムのマルチカメラシステムを装着した、トヨタ・ハイエース
データーシステムのマルチカメラシステムを装着した、トヨタ・ハイエース 全 27 枚 拡大写真

多才なユーティリティと、押し出し感の強さが根強い人気の秘密となっているトヨタ『ハイエース』。ドレスアップにこだわる人も少なくないが、そのボディサイズ故に死角が少なくないのも事実。そんな中、注目したいのがデータシステムの「マルチカメラシステム」だ。

工夫凝らしたカメラシステム、死角減少で安全性アップ

ハイエースのボディは想像以上に大きい。全長は標準仕様で4695mm、スーパーロングともなると5380mmにもなる。しかもハイエースの場合、キャブオーバータイプなので運転席から後ろは乗用車の感覚ではあり得ないほど長い。また、ワイドボディともなればその幅は1880mmもある上、3人乗り仕様となることから運転席は右端にシフトされる。つまり、ハイエースは後方も左方向も、想像以上に大きさを感じさせるクルマなのだ。データシステムの「マルチカメラシステム」は、そのハイエースをカメラの力でよりコントローラブルにしてくれる便利アイテムとして登場した。

デモカーとして用意されたのはハイエースで一番大きいサイズのスーパーロング/ワイド。そばで見ると、そのサイズ感はミニバンの比ではない。そのハイエースにはデモ用として全部で3つのカメラが取り付けられていた。フロントと左サイド、後方の3個所。「カメラの装着なんて今どき珍しくない」との声が聞こえそうだが、実はこのカメラ、今までの車載カメラとはちょっと違う。

まず、フロントカメラ。一般にフロントカメラは左右確認用としてクルマの先端に取り付けるが、2つのカメラを取り付けるため、その取り付けた格好が“小さなツノ”みたいに見えてしまう。データシステムの「フロントツインカメラキット」(FCK-30W1)はそこに工夫を加えた。トヨタエンブレム内に収め、違和感ないフロントビューを実現しているのだ(ハイエースの仕様によってエンブレムサイズが異なるので事前確認が必要)。カメラ部だけを突き出して設置するため、エンブレム内に収めても左右の視野はまったく問題なし。ここまで見えれば、路地からも安心して出て行ける。

左サイドのカメラにも工夫がある。冒頭でも述べたように、ハイエースのスーパーロングのボディ長は5メートルを超える。当然、一つのカメラでは捉えられる範囲は限られる。そこで、用意したのが「車種別サイドツインカメラキット」(SCK-39H1W)。2台のカメラを内蔵して左側ドアミラーの下部にピッタリ取り付けられるのがポイント。このカメラでは、フロントタイヤを中心としたものと、サイド後方の二つの映像を並べて表示することができる。これがあれば幅広のワイドボディでも、前から後ろまで確認できるのでギリギリまで幅寄せできそうだ。

そして、後方用の「リアVIEWカメラ」(RVC299)はリアゲートの上部に取り付ける。それだけならリアバンパーから後ろを確認する単なるバックカメラだが、このカメラは取り付けた後、手動で角度が自由に変えられる構造となっている。この角度を水平にすれば、荷物などを満載したときのルームミラー代わりとしても使え、バックカメラとして使いたければ下向きにセットしておけばいい。積載した荷物に応じて角度を変えられるわけで、まさにハイエース用らしいコンセプトに基づいた仕様と言えるだろう。

複数画面表示でより把握しやすく

この3つのカメラにぜひ組み合わせたいのが「マルチカメラスプリッター」MCS293)だ。ここまで紹介したカメラはカーナビ等と組み合わせても大抵は一つずつしか接続できない。このスプリッターは最大4つの入力が可能で、これらを一画面で同時に表示できるようになるのだ。最近流行の“アラウンド…”といった形にはならないものの、同時に最大4つまでの映像を映し出すことで周囲の状況が一画面で把握可能になるというわけだ。

たとえば「フロントツインカメラキット」と「車種別サイドツインカメラキット」を組み合わせたり、サイドをシングルカメラにすればリアVIEWカメラを加えられる。分割表示となるため、それぞれは小さくなるが、カメラの解像度が高いため一般的な7型サイズのカーナビなら十分にその内容がわかる。また、表示方法はあらかじめもっとも使いやすい表示を選んでおくことができ、オンスクリーン機能も備えている。この辺りの使い勝手はこの分野で実績を積んでいるデータシステムらしい。

また、スプリッターにはコントロールスイッチを付属。たとえばカーナビに接続しているときは、地図画面表示時にコントロールスイッチを押すと、瞬時に指定した画面へと切り替わる。連動機能も搭載していて、バックギア連動でリアVIEWカメラに切り換えるのはもちろん、サイドカメラをウインカー操作から左右それぞれのカメラへ連動させることもできる。さらにユニークな機能として、ハザードに連動して指定した複数のカメラ映像に切り換えることも可能。左右にカメラを取り付けておけば、ハザードスイッチを押して緊急停車する際に左右の状況をチェックしながら停止できるのだ。

取材当日は、確認用として「バックミラーモニター」(LTM6023)でも映し出してみた。視点に近い位置で映像を確認できるため、画面サイズが4.3型というサイズにもかかわらず、細部まで識別できる。しかも、このモニターには映像入力を2系統備えているため、1つはスプリッターからの映像を入力し、もう1つはリアVIEWカメラに入力しておける。この方法なら、スプリッターからの映像をコントロールスイッチの操作で映し出し、バックギアに入れれば自動的にリアVIEWカメラの映像を映し出せる。つまり、全部で5つのカメラ映像を切り分けることが可能になるわけだ。

今回の取材で改めて認識したのは、カメラを併用することによって生み出される安心感は想像以上に大きかったということだ。ハイエースという巨大なボディを自在に操るには周囲をしっかり把握する必要があるわけで、その意味でも自在にカメラをコントロールできる本システムの魅力は大きい。しかもエンブレム内にカメラを一体化するなどファッション性も十分に高いのは、ドレスアップにこだわるユーザーも十分納得がいくもの。「マルチカメラシステム」は、多方面から支持される安心・安全装備となるだろう。

《会田肇》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  4. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る