高速道SA/PAでパケット“渋滞”を2年前と比較…ソフトバンク優勢

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 今年のお盆も、各地の高速道路では帰省ラッシュによる交通渋滞が予想されている。そんな帰省ラッシュのピーク直前に、開通から2年が経過した新東名高速道路 下り区間の各SA/PAにおいてスマートフォン通信速度の実測調査を実施した。RBB TODAYでは、2012年の年末にも同区間で調査を行っているが、その後各社の通信環境整備はどの程度進んだのだろうか。

 今回使用した端末は、NTTドコモ「Xperia Z2 SO-03F」、KDDI(au)「GALAXY S5 SCL23」、ソフトバンクモバイル「AQUOS Xx 304SH」というAndroid端末3機種と、3社の「iPhone 5c」。速度調査には「RBB TODAY SPEED TEST」アプリを使用。同一箇所で3回計測し、その平均値を算出した。計測は、新東名の下り路線、御殿場JCTから三ヶ日JCT間にあるサービスエリアとパーキングエリア7箇所において実施した。なお、新東名高速に入る直前の東名高速道路上(港北PA/海老名SA/中井PA/鮎沢PA/足柄SA)においても参考までに調査を実施している。

■大幅な高速化に成功したソフトバンク

 まずAndroidの結果から見てみると、新東名の7箇所の平均速度で上下共にソフトバンクが最も速く、下り平均35.20Mbps、上り平均12.25Mbpsとなった。次いでドコモが下り平均27.93Mbps、上り平均7.84Mbps、auが下り平均23.59Mbps、上り平均5.20Mbpsという結果に。箇所ごとの勝数で比べると、ソフトバンクが下り3箇所、上り4箇所で1位。ドコモは下り3箇所、上り2箇所、auは上下1箇所ずつで1位となっている。

 前回(2012年12月)の結果と比べてみると、ソフトバンクは平均速度で20Mbps以上の向上をみせ、通信回線もほとんどが3Gだったものが全箇所でLTEでつながるようになった。高速道路上のエリア整備が着実に進んでいると言える。また、ドコモに関しても2年前からかなりの進歩をみせ、全箇所LTEでつながった。一方、auは2年前の時点で大部分がLTEエリア化されており頭一つ抜けていたが、その後やや停滞し、今回2キャリアの後塵を拝す形になってしまった。唯一下り速度で1位となった掛川PAでは、CAあるいはWiMAX 2+をつかんだようで下り90.90Mbpsという今回の調査での最速値を記録したが、清水PA・静岡SA・藤枝PAでは逆に3G接続となってしまった。auの各SA・PAにおけるLTEエリア化は完了しているはずだが、今一つ、安定感に欠けるようだ。

 東名高速の一部においても優勢だったのはソフトバンクで、5箇所中4箇所で下り速度1位。下りの平均速度も30.70Mbpsと高かった。次いでauは下り平均24.89Mbps、ドコモは下り平均17.56Mbps。

■iPhoneのエリアも順調に拡大

 次にiPhoneの結果だが、こちらでもソフトバンクの速さが目立った。新東名の7箇所の平均速度は下りが35.14Mbps、上りが12.35Mbpsを記録。下り速度は4箇所、上り速度は5箇所で1位と安定して高速回線につながった。次いでauが下り平均27.62Mbps、上り平均6.01Mbps、ドコモは下り平均23.56Mbps、上り平均7.54Mbpsとなった。

 前回調査時、ドコモはまだiPhoneの取り扱いを開始していなかったので比較できないが、ソフトバンク、auについてはいずれも大幅に数字を上げてきている。特にソフトバンクは全箇所でLTEがつながるようになり、速度・安定感で一歩リードした印象。auは藤枝PAで3G接続となってしまい、全箇所LTEとはならなかった。

 東名高速においてはソフトバンクが下り3箇所で1位、ドコモ、auはそれぞれ1箇所で1位に。下り平均は、足柄SAで71.62Mbpsを記録したドコモが23.38Mbps、次いでソフトバンク21.27Mbps、auが14.97Mbpsと続いた。

 現在、下り10Mbps以上のスループットはもはや当たり前というほどに、各社スマートフォンの通信速度は向上してきている。今回調査した高速道路上においても、ネットワーク整備は概ね順調に進んでいるようだ。しかし、一度整備を完了しても、新しい端末や通信規格の登場、ユーザー数の増加などさまざまな要因で通信環境は変わってくる。いかに継続的に、良好な通信環境を維持していくか、今後はそういった部分に注目して各社の取組みを見ていきたいと思う。

お盆前に高速道路の通信速度調査、新東名・東名はソフトバンク優位に

《白石 雄太@RBB TODAY》

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