震災から3年、爪あと残る石巻で復興への歩みを見た…ミヤギポークラン参加レポート[中編]

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宮城県 矢本地区
宮城県 矢本地区 全 40 枚 拡大写真

東日本大震災で被害を受けた宮城県内の被災地を巡る「ミヤギポークラン」が8月3日に閉幕した。

ミヤギ ポークランとは、東日本大震災で被害を受けた被災地をスタンプラリー形式で周り、テレビなどではなかなか取り上げられない復興の”今”を体験するイベント。今回、宮城県仙台市出身の筆者が、イベントに参加した模様をリポートする。

◆港町塩竈から日本三景松島へ

次に筆者は塩竈へとクルマを走らせた。塩竈は日本有数の漁港で、沿岸部には蒲鉾など魚肉練り製品の工場が数多く建ち並ぶ。

チェックポイントの「しおがま・みなと復興市場」では、「お土産を買って写真を投稿しよう」というミッションがあったので三陸産のわかめを購入した。お店の方は、三陸産のわかめは実がしなびずに美味しくて塩加減も絶妙と教えてくれた。

本音は浜焼きを頂きたかったのだがお腹の空き具合とこの後に待っている海鮮のために今回は断念。次回また来たときに頂こうと思ったが、どのお店の方も元気いっぱいで、震災から必死に立ち上がり前を向いている姿が印象的だった。

その後松島へとクルマを走らせる。松島には88年の歴史を持つ「マリンピア松島水族館」がチェックポイントとなっていたが、当日は休日ということもあり伊達政宗の菩提寺である国宝・瑞巌寺や遊覧船など、松島周辺は震災前と変わらない賑わいを見せていた。

また、今回のイベントで楽しみにしていたことが、地元の名産を食べることである。そこで松島では、地元の魚介を使った海鮮丼を頂いた。空腹とあまりの美味しさで写真を撮るのをすっかり忘れ、後になり後悔したのだが、復興の現状を知るだけでなく、地元名産の“食”を堪能できるのも本イベントの良いところではないかと感じた。

◆市内のおよそ7割が全壊した被災地、石巻へ

お腹も満たされ、今回の最終目的地である石巻を目指す。航空自衛隊松島基地がある矢本地区では、豊かな田園風景が広がり真夏の陽気と相まって非常に穏やかな雰囲気が漂っていた。かつてここに津波が押し寄せたのかというほどの落ち着いた印象で少しホッとしたが、やはり海岸線近くまで足を伸ばすと、除塩が済んでいない田畑や残土が残っていたり、震災から3年が経った今でも復旧工事が続いていたりと、ここでも改めて復興が完了するのはまだまだ先なのだなと感じてしまう。

さらに驚いたのは道路を走るダンプカーの多さだ。先に進むと、地震で発生した鉄くずや自転車、タンクローリーなどが積み上げられ、ダンプカーに乗せられる光景が目に飛び込んでくる。3年もの月日にさらされ錆びた鉄が夏の陽気に反射する姿は異様であり、早く元の姿に戻らないかと思わずにはいられない。

途中、何箇所かチェックポイントを経由し「石巻まちなか復興マルシェ」に向かった。ここは、旧北上川の川べりに位置する市場で、石巻のお土産や食事などを提供する店舗が並んでいる。

対岸には漫画家の石ノ森章太郎氏のミュージアム「石ノ森萬画館」があり、市場には同氏の代表作「仮面ライダー」と「キカイダー」のキャラクターが出迎えてくれた。

ちょうど市場には団体客が訪れており、聞くところによると、東京と石巻の少年野球チームが毎年交流を行っており、今回東京のチームが初めて石巻を訪れたとのこと。

後日、イベントを主催する東北国際フィルム&アートフェスティバル協会代表の嘉村康祐氏は「人と人とが繋がり新しいきっかけが生まれるものとしてイベントを成長させていきたい」と述べている。彼らは本イベントには直接関係はないが、この地に多くの人が訪れ、人と人との出会いが復興に繋がることを切に願うばかりである。

《橋本 隆志》

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