WTO、中国のレアアースなどの輸出規制の違反を確定

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経済産業省は、WTOが日本、米国、EUの申立てに基づき審理してきた中国政府によるレアアースなどの輸出規制が違反すると確定したと発表した。

中国政府は、1999年以降、重要戦略的資源であるレアアース、タングステン、モリブデンについて順次輸出数量制限を導入するとともに、2006年以降、輸出税を課している。中国は、2006年以降輸出割当数量を年々削減、特に日中による領土問題が発生した2010年下半期に輸出割当を大幅に削減した。こうした事態を受け、日本は、米国、EUとともに2012年3月、中国による輸出数量制限、輸出税による輸出規制は、WTO協定に違反するものとして、WTO協定に基づく協議を要請した。

しかし、中国との協議が不調に終わり、日本、米国、EUは2012年6月、準司法的手続であるWTO紛争処理委員会(パネル)の設置を要請、これを受け、2012年7月にパネルが設置され、2013年2月と6月にパネル会合(口頭弁論)が開かれた。

パネルは2014年3月26日、報告書を公表、中国の輸出規制についてGATT(関税及び貿易に関する一般協定)第11条1項(輸出数量制限の禁止)と中国のWTO加盟議定書第11条3項(輸出税の禁止)などに違反すると認定。

パネル報告書に関し2014年4月17日、中国はパネルの判断を不服として米国の事案について4月24日、日本、EUの事案についてWTO上級委員会へ申立てた。その後、同年6月に上級委員会会合が開催され、今回、上級委員会は中国のレアアースなど、原材料3品目に関する輸出規制措置について日本の主張を全面的に認め、パネル報告書を支持、中国にWTO協定に従って措置を是正するよう勧告した。

上級委員会報告書は8月29日に開催されるWTO紛争解決機関会合で正式採択される見込み。

日本政府は、中国が報告書の勧告を早期に履行し、WTO協定に整合しないと認定された措置を速やかに是正することを求めるとしている。

《レスポンス編集部》

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