商用で世界最高解像度の地球観測衛星「WorldView-3」打ち上げ成功

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アトラス V 401ロケットでのWorldView-3衛星打ち上げ
アトラス V 401ロケットでのWorldView-3衛星打ち上げ 全 2 枚 拡大写真

2014年8月14日、米デジタルグローブ社は、分解能31センチメートルと商用で世界最高の解像度を持つ光学地球観測衛星、『WorldView-3(ワールドビュー3)』打ち上げに成功したと発表した。

打ち上げは米カリフォルニア州、バンデンバーグ空軍基地から、日本時間7月14日午前2時30分に行われた。打ち上げロケットは、ロッキード・マーチンが製造し、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)が運用するアトラス Vロケット401形態で、衛星を搭載した先端のフェアリング部直径は4メートルとなる。

WorldView-3衛星の重量は2800キログラム、本体高さは5.7メートル、幅は2.5メートル、太陽電池パドルを広げた状態では幅7.1メートルと地球観測衛星の中では大型になる。高度617キロメートルで地球を南北に周回する太陽同期軌道で、軌道傾斜角は97度。衛星の製造はボール・エアロスペースが担当し、受注額は3億700万ドルと発表されている。

WorldView-3の最大の特徴は、パンクロマチック(可視光)の最高解像度で31センチという商用では世界最高の性能にある。カラー画像のマルチスペクトルでは解像度1.24メートル、観測幅は30メートルとなる。デジタルグローブ社の運用中の光学地球観測衛星WorldView-2ではパンクロマチックでの解像度は46センチとなっており、解像度1メートル以下のVHR(超高解像度)衛星の中でもトップクラスを占める。また、商用衛星では初めて短波赤外線センサーを搭載し、霧やもやの発生した状態でも地表の様子を観測できるほか、植生の状態を把握でき農業用途などへの画像の利用が可能になるという。

米商務省は2014年6月、デジタルグローブに対し、高解像度衛星画像の販売制限を50センチから25センチまで緩和しており、今後は高精細な地球の画像が商用利用できることとなる。デジタルグローブ社は、現在「IKONOS」「QuickBird」「WorldView-1」「GeoEye-1」「WorldView-2」と5機の地球観測衛星群を運用しており、ここにWorldView-3が加わる。さらに、2016年には計画中の「GeoEye-2」の名称を改めた「WorldView-4」(解像度34センチ)を打ち上げる予定だ。

《秋山 文野》

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