【INDYCAR 第16戦】ウィル・パワー完勝、王座へ向けて前進…佐藤琢磨15位

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ポール発進からレースをほぼ完全に支配した#12 ウィル・パワー。写真:INDYCAR
ポール発進からレースをほぼ完全に支配した#12 ウィル・パワー。写真:INDYCAR 全 8 枚 拡大写真

インディカー・シリーズ第16戦は現地17日、米ウィスコンシン州ウエストアリスの「ザ・ミルウォーキー・マイル」で決勝レースを行ない、ポイント首位のウィル・パワーが完勝と言っていい内容でポール・トゥ・ウインを飾った。佐藤琢磨は15位。

早くもシリーズ最終盤の3連戦に突入した今季のインディカー。まずは100年以上の伝統を誇るミルウォーキーの1マイルオーバルが舞台の第16戦だが、レース中のフルコースコーションが1回のみという、ある意味でインディらしくない“荒れない展開”となった。そんななか、ポール発進のパワー(#12 Team Penske/シボレー)が、これまたインディではなかなかないくらいの完勝劇、横綱相撲で勝利を飾った。「パーフェクトな一日だった。マシンの調子がとても良かったよ」と本人も言うように、敵なしと思える強さで今季3勝目を獲得、今回11位だった僚友エリオ・カストロネベス(#3 Team Penske/シボレー)に対するポイントリードを前戦終了時点の4から39へと開き、初王座獲得へと前進した。

「オーバルで勝利することを愛している。オーバルでのレースをとてもエンジョイしているし、素晴らしい喜びを感じてもいるよ」との旨を語ったパワー。これまで彼は、ロードコースや市街地コースで見せる強さに比べると、オーバルコースはやや苦手と形容されることが多かった。それがなかなかタイトルに手が届かない遠因(2010~12年と3季連続シリーズ2位、昨季は同4位)でもあったが、いよいよ悲願達成が近づいてきた印象である。

ポイント3位のシモン・パジェノー(#77 Schmidt Peterson Motorsports/ホンダ=今回7位)がパワーと92点差という状況なので、オーバルでの500マイル戦となる最終戦がポイント2倍(優勝100点)とはいえ、実質的な意味でのタイトル争いはパワーとカストロネベスの僚友対決に絞られたと見るべきかもしれない。パジェノーらホンダ勢のドライバーズタイトル獲得は厳しい状勢となってきた。

今回のレースの2位はファン・パブロ・モントーヤ(#2 Team Penske/シボレー)で、Penske勢が1-2フィニッシュ。3~4位にはChip Ganassi Racingのトニー・カナーン(#10)とスコット・ディクソン(#9)が続き、シボレーエンジン勢が4位までを独占、ホンダ勢最上位は5位のジョセフ・ニューガーデン(#67 Sarah Fisher Hartman Racing)だった。6位はライアン・ブリスコー(#8 Chip Ganassi Racing/シボレー)。

予選10位の琢磨(#14 A.J. Foyt Racing/ホンダ)は、まさにスタートという瞬間に「リヤのグリップを失い、マシンが大きくスライドしてしまった」。いきなりポジションを大幅に落とすこととなり、「路面が滑りやすかった序盤はポジション挽回が難しい状況だった」ため、19位前後での走行に。「中盤にはマシンの状態を向上させていくことができ、ペースも上がっていった。しかし、すでに周回遅れに陥っていたため、誰かをパスできても、それが順位の上昇にはつながらないことが多くなっていた」。最終的な順位は15位。「いいレースを戦える自信をもっていたミルウォーキーだけに、今日の戦いぶりは悔しい」という、不完全燃焼の一戦に終わってしまった。

次の第17戦は現地24日が決勝という開催日程で、カリフォリニア州のソノマ(ロードコース)が舞台。「プラクティスの時間が短い2日間のイベントとなるので、最高の状態のマシンを持ち込み、最初のプラクティスから速さを発揮できるよう、エンジニアとセッティングの検討をしていきたい」と、琢磨は語っている。パワー対カストロネベスの王座争いともども、琢磨のリベンジにも注目したい。

《遠藤俊幸》

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