【宇宙博14】若田宇宙飛行士、トークショーで「宇宙を通して何を実現したいのか考えて」

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後半はコマンダーとして経験したISS6カ月間の滞在を語る若田宇宙飛行士
後半はコマンダーとして経験したISS6カ月間の滞在を語る若田宇宙飛行士 全 5 枚 拡大写真

2014年8月19日、5月に国際宇宙ステーション(ISS)での約6カ月間の長期滞在から帰還し、また日本人初のISSコマンダーを務めた若田光一宇宙飛行士が幕張メッセで開催中の「宇宙博 2014」登場しトークショーを開催した。

若田光一宇宙飛行士はトークショー冒頭で、6カ月間にわたって滞在したISSでのミッションの成果や暮らしぶりを紹介。ISS日本実験棟「きぼう」では、宇宙でエンジニアとして手掛けた超小型衛星の放出や、高品質なタンパク質からさまざまな型のインフルエンザに効く薬の基礎実験が行われている成果を紹介した。

宇宙飛行士の忙しい生活の中でも、故郷の上空を通過する機会を大事にしているという若田宇宙飛行士。約90分で地球を一周、時速2万8000キロメートルで飛行するISSが日本の上空を通過する時間は長くないが、「日本上空を通るときは、窓から地球を眺められる”キューポラ”でカメラを持って待機している」と自ら撮影した宇宙から見た日本列島の眺めを紹介した。

トークショー後半の質疑応答の時間には、会場の子供たちの質問に次々と答え、自らマイクを持って手を上げた子どもたちに渡すなど、宇宙へ強い関心を持つ子どもたちとのコミュニケーションを大切にしていた。「宇宙飛行士をサポートする役割につきたい。どういったことに気を配ればよいのか」という高校生の質問には、「船外活動を始め、宇宙での作業は宇宙飛行士だけではできない。宇宙での作業から、どんな活動を最終的に実現したいと思うのか、宇宙を通して何を実現したいのか常に考えて欲しい」と宇宙を通したチームワークの実現の大切さをアドバイスした。

将来は宇宙飛行士になりたい、という子どもも多く「小さいころから宇宙飛行士になるために努力したことや得意なことは?」との質問には「宇宙飛行士にあこがれつつ、最初に目指した航空機の技術者になるため、理科や数学を努力した。また、外国語で書かれた専門書も多いため、英語を学ぶ努力をした」と実践的なアドバイス。その上で「自分も失敗はするけれども、それを次に生かさなくてはいけない。得意なことは、自分が失敗したことをうまく忘れて、くよくよせずに次に行くこと」と大きな努力をした上で、気持ちを切り替えればよいと話した。若田宇宙飛行士は「あと1問、大丈夫かな?」と時間いっぱいまで子どもたちの質問に答え続けていた。

《秋山 文野》

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