ガリレオ測位衛星の軌道投入失敗、ソユーズロケット上段に問題と発表

宇宙 企業動向
開発中のガリレオ FOC衛星
開発中のガリレオ FOC衛星 全 1 枚 拡大写真

8月24日、アリアンスペース社は欧州の新型測位衛星『Galileo FOC(ガリレオ FOC)』2機が打ち上げ後に予定の軌道に到達しなかった問題について、原因に関する初期の調査報告を発表した。

8月22日、仏領ギアナ・ギアナ宇宙センターから現地時間午前9時27分(日本時間午後9時27分)にソユーズ STロケットで打ち上げられたガリレオ FOC衛星は、欧州の全地球測位衛星システム「ガリレオ」計画の5、6機目にあたる衛星。これまで打ち上げられた試験機「ガリレオ IOV」4機に次いで初の全機能衛星となる。

8月22日当初は打ち上げは成功とされ、2機の衛星にはESA 欧州宇宙機関の絵画コンテストで優勝したエストニアの少女にちなんで「Milena」と「Doresa」という愛称がつけられた。その後、衛星が予定の軌道に達していないことが判明し、ESAやアリアンスペース、ソユーズロケットを提供したロシアからロシア連邦宇宙庁(ROSCOSMOS)、ロケット製造者のRKT プログレス社やNPO ラヴォーチキキンによる原因究明と対策の調査が行われていた。

24日発表では、ガリレオ FOC衛星は予定していた軌道長半径2万9900キロメートル、軌道傾斜角55度の円軌道に到達せず、軌道長半径2万6200キロメートル、軌道傾斜角49.8度の楕円軌道に入っているという。

2機の衛星および、ソユーズロケットの最終段であるフレガートは安定した状態にあって地上に危険が及ぶようなことはなく、フレガートの推進剤は排出され正常に減圧されているという。初期の分析では、問題は打ち上げの中でフレガートが飛行していた間に発生したもので、衛星が予定の軌道に射出されなかった可能性があるとしている。

アリアンスペース社は、ESAおよび欧州委員会とともに独立した調査委員会を設置して原因究明にあたるとともに、早期にギアナ宇宙センターからソユーズロケットの打ち上げを再開したい意向を示している。

《秋山 文野》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 新型アウディ『Q3』のインテリアを公開、「コラム式シフト」と新デジタルコックピットが目玉に
  2. 2.5Lエンジンを搭載する『インプレッサ』登場、米2026年モデルに「RS」
  3. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  4. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  5. シボレー『コルベット』がニュルブルクリンクで「米国メーカー最速ラップ」樹立
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る