ロシア、2025年までに静止軌道の宇宙ゴミを除去する”スカベンジャー”衛星を計画

宇宙 企業動向
静止軌道のスペースデブリ(宇宙ゴミ)の分布を示したイメージ。点は衛星の大きさを反映したものではないが、静止軌道にもデブリの集中が存在することがうかがえる。
静止軌道のスペースデブリ(宇宙ゴミ)の分布を示したイメージ。点は衛星の大きさを反映したものではないが、静止軌道にもデブリの集中が存在することがうかがえる。 全 1 枚 拡大写真

2014年8月22日、ロシア日刊紙イズベスチヤは、ロシアが2025年までに高度約3万6000kmの静止軌道から運用を停止した衛星やロケットの残骸を除去する”スカベンジャー”衛星を計画していると報じた。

イズベスチヤ紙の報道によれば、「清算人」や「宇宙クリーナー」と呼ばれるスペースデブリ(宇宙ゴミ)除去衛星の計画は、2016年から2025年までのロシア連邦宇宙計画の草案に盛り込まれ、総額108億ルーブル(約310億円)の計画になるという。

静止軌道から宇宙ゴミを取り除くメンテナンス衛星の重量は4t、連続して1機のメンテナンス衛星が処理する宇宙ゴミの数は10体まででこれを1サイクルとし、除去される対象の重量は6tまで、デバイスの運用寿命は10年で、20サイクルまで実施するという。

地球近辺の人工物による宇宙ゴミの数を数えると、その40%を2007年に衛星破壊兵器の実験を実施した中国のものが占め、続いてアメリカが27.5%、ロシアが25.5%、その他の国が7%となる。こうした宇宙ゴミの73%は高度2000kmまでの地球低軌道に存在するが、ロシア連邦宇宙庁(ROSCOSMOS)が計画しているのは、地表から約3万6000kmの静止軌道のデブリ除去計画だ。静止軌道では、多数の通信・放送衛星など商業衛星が機能している。

ROSCOSMOSの科学部部長によれば、宇宙ゴミ除去衛星を構築する技術は非常に複雑で、開発を担う企業はまだ選定されていないという。静止軌道で目的の機能を果たす衛星を構築し、運用するには複数の企業を検討しなければならないと述べている。候補の企業としてRKKエネルギア社、クルニチェフ国家研究生産宇宙センター、ラヴォーチキン科学産業連合、レシェトネフ情報衛星システムなどの名前が挙がっている。こうした企業は衛星のランデブーとドッキングの技術に経験を有しているとのことだ。

《秋山 文野》

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