【スバル WRX 試乗】アンダー知らずの走りに恐れ入る…九島辰也

試乗記 国産車
スバル WRX STI
スバル WRX STI 全 40 枚 拡大写真
『WRX STI』 と『WRX STI Type S』 をFSWの本コースで走らせた。クルマの性格とパフォーマンスを体感するのにじつにいいシチュエーションである。とはいえ、ここはひとつ冷静にテストドライブしなければならない。こういうところでは“自分との戦い”に落ち入りがちだ。

クルマは速くてハンドリングは楽しく、かつ懐が深い。残念なのはリミッターが付いていたことで、ストレートでの強制的な速度制限にはどうにも抵抗できなかった。

おもしろいのは100Rのコーナー中でのクルマの挙動。DCCD方式のAWDをはじめとする電子デバイスがクルマのアンダーステアを自動的に修正する。

それにより鼻先がイン側に向いたことを確認しながらさらにアクセルオンすると当然またクルマはアンダー方向へ。でもここでまたデバイスがイン側に向けるのだから恐れ入る。100Rのコーナリング中、2~3回はそんなことを繰り返し試してみた。

STIと同Type Sの違いはデータでもとらないとわからないくらいどちらもスポーツ性能は高い。ただコーナリング中の足の踏ん張りは若干Type Sの方がよさそう。

STIはKYB(カヤバ)製、Type Sはビルシュタイン製だそうだが、サーキット走行では後者が有利に働いている。ただ、一般道を走っている中では“気分”だけかもしれない。まぁ“気分”も大切なのだが……。

『WRX S4』はクローズドのFSW敷地内を少し走っただけだが、乗り味を含めGTとGT-Sではノーマルダンパー(こちらもカヤバ製)の方がバランスよく思えた。ボディカラーをシックにすればオトナも乗れる仕上がりだ。デザインがコンサバなことからも、50歳代もしくは60歳代の方にもオススメである。


■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★


九島辰也|モータージャーナリスト
東京・自由が丘出身。新車のインプレッションから海外ブランドのヒストリー、カーカルチャーまで幅広く活動。特に英国車、英国文化に造詣が深い。趣味はゴルフとマリンスポーツ。日本葉巻協会員。

《九島辰也》

九島辰也

九島辰也|モータージャーナリスト 外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。東京・自由が丘出身。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『ライズ』がカラフルに変身!? フルーツがテーマ『ハバナ フルーティーポップ』、キャルズモーターが発売
  2. 一人乗りマイクロEV「EQV-TREK」発売、355kgの軽量ボディで航続110km…107万8000円から
  3. 新型取締機「JMA-520/401」に対応、セルスターがコンパクトな一体型レーダー探知機を発売
  4. 世界初、個人所有できるレベル4自動運転「ロボカー」誕生、2026年に納車開始
  5. 三菱『エクリプス クロス』新型、航続600kmのEVに…ルノーからOEM供給へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る