JR東海、リニア中央新幹線の工事計画申請…10月にも着工へ

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JR東海は中央新幹線品川~名古屋間の工事実施計画認可を申請し、10月にも着工する見込みとなった。写真は中央新幹線の一部となる山梨リニア実験線で走行試験を行っているL0系。
JR東海は中央新幹線品川~名古屋間の工事実施計画認可を申請し、10月にも着工する見込みとなった。写真は中央新幹線の一部となる山梨リニア実験線で走行試験を行っているL0系。 全 2 枚 拡大写真

JR東海は8月26日、超電導磁気浮上式鉄道(超電導リニアモーターカー)による中央新幹線品川~名古屋間の工事実施計画認可を国土交通大臣に申請した。全国新幹線鉄道整備法(全幹法)に基づく手続き。2027年の開業を予定している。

鉄道の建設手続きにおいては、全ての施設や設備を一括で申請する方法と、土木構造物と電気設備などを分けて申請する方法がある。JR東海は今回、トンネルや橋りょう、駅などの土木構造物を中心に「その1」として申請し、電気設備や車両などの設備は工事内容が確定した段階で「その2」として申請する予定としている。

「その1」の概要によると、品川~名古屋間の線路延長は285.6km。構造物の内訳はトンネルが246.6km(約86%)を占め、これに高架橋の23.6km(約8%)、橋りょう11.3km(約4%)、路盤4.1km(約2%)が続く。カーブの最少半径は8000m、最も急な勾配は40パーミル(水平距離1000mで40mの高低差。道路勾配表記の4%に相当)で、軌道の中心間隔は5.8m以上を確保する。

駅は東京都港区港南に品川駅、神奈川県相模原市緑区橋本に神奈川県(仮称)駅、山梨県甲府市大津町字入田に山梨県(仮称)駅、長野県飯田市上郷飯沼に長野県(仮称)駅、岐阜県中津川市千旦林字坂本に岐阜県(仮称)駅、名古屋市中村区名駅に名古屋駅が、それぞれ設置される。

このうち品川駅と名古屋駅は、これまでの環境影響評価手続きで「東京都ターミナル駅」「名古屋市ターミナル駅」と呼ばれていた駅で、両駅とも既設の同名駅への併設になる。このほか、相模原市緑区鳥屋に関東車両基地(仮称)を、中津川市千旦林に中部総合車両基地(仮称)を、それぞれ設ける。

「その1」の工事費は4兆158億円。これに電気設備や車両などの「その2」を加えた見込額は、現時点で5兆5235億円になる。2009年の調査報告では5兆4300億円としていたが、高性能設備の導入や人件費の増額などが見込まれることから935億円増加した。

工事実施計画の認可は、全幹法による着工前の手続きとしては最終段階となるもの。JR東海は認可を得られれば10月にも工事に着手する方針だ。

《草町義和》

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