【SUPER GT】サポートレース「FIA-F4」を国内7大会でシリーズ開催…15年から

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FIA-F4マシン「F110」がお披露目された。
FIA-F4マシン「F110」がお披露目された。 全 12 枚 拡大写真

SUPER GTの運営団体「GTアソシエイション」(GTA)は29日、鈴鹿サーキットでのGT300マザーシャシー構想具体化会見と併せ、来季から「FIA-F4」のプロモートを開始、SUPER GT国内7大会のサポートレースとしてシリーズ開催する旨も発表している。

F4という名称のフォーミュラレースカテゴリーには、従来から日本独自の規格で実施されているものがあるが、GTAがプロモートを始める「FIA-F4」はFIA(国際自動車連盟)の設定した規格による新しいレースであり、従来からの日本のF4とは別物。ファンにとっては少々ややこしい状況だが、来季からの日本4輪レース界にはふたつのF4が併存することになる見込みだ。

日本のFIA-F4のカテゴリーとしての位置づけは、カートやスーパーFJからF3へのステップアップを目指す選手を対象としたもので、SUPER GT国内7大会のサポートレースとして毎戦2レースを実施。往年の名手で、GTAのシニアマネージャーを務める服部尚貴氏によれば「公式予選は1回。そのベストタイムでレース1のスターティンググリッドを決め、セカンドベストタイムでレース2のグリッドを決める。決勝レース距離は60km」とのフォーマットで、全14レース中11レースの有効得点制でシリーズタイトルを争う(ポイントは決勝1~10位に20-15-12-10-8-6-4-3-2-1点)。

使用されるワンメイクマシンは、日本レース界のモノづくり活性化を支援する特定非営利団体「JMIA」(日本自動車レース工業会)の会員である童夢が製作したシャシー「F110」に、同じく同会会員のトムスが開発した2000cc直4自然吸気エンジンを搭載したもので、GT300マザーシャシー構想同様、ここにもGTAの「日本レース界のモノづくりを重視」する姿勢が反映されている。エンジンには10000kmのライフ保証や最高115kw(約160ps)の出力規制がかけられ、コスト抑制とドライバーの育成・選抜を目的としたイコールコンディション化も図られる(タイヤ供給メーカーは9月中に決定する見込みとのこと)。

この日は鈴鹿の東ショートコースで実質初という実走テストも行なわれた。SUPER GTやスーパーフォーミュラで活躍する石浦宏明がドライブを担当し、「いきなりでも順調に走れました。最後はマシンがスライドするくらいのところまで攻めてみたんですが、スライドした時の挙動もマイルドで、入門フォーミュラに相応しいマシンだと思いました。エンジンのパワー、トルクは思ったよりある印象。コクピットが広いので、僕のように身長が高いドライバーでも大丈夫だと思います」との旨をコメントしている。

ラップタイムは手元計測で52~53秒だったが、石浦によれば速さ的には「従来からの日本のF4や、去年まで開催されていたFCJ(フォーミュラチャレンジ・ジャパン)と同じくらいではないでしょうか」とのこと。これに先立つ会見ではJMIA会長の大岩トムス社長が、目指す速さについて「タイヤ次第な面が大きいが、現段階では(日本旧来の)F4とスーパーFJのあいだくらいを考えている」と話しており、今後、さらに検討と調整が行なわれるものと思われる。

GTAは将来的に、自動車メーカーやGT300参戦チーム、全日本F3参戦チーム等による有望選手獲得を目指した「スカウト制度」や、GTA独自の若手育成プログラム「SUPER GTアカデミー(仮称)」の開設も検討しており、FIA-F4をより有機的に活用していく予定。国際規格であることを活かした展開もあるかもしれない(イタリアでは今季からタトゥース社製マシンにアバルト製エンジンを積んだワンメイクマシンによるFIA-F4のシリーズが開催されており、イギリス、ドイツ等でも来季からシリーズ創立が計画されているとのこと)。

SUPER GTにとっても、来季からはサポートレースがFIA-F4とポルシェ カレラカップ ジャパン(PCCJ)の2本軸となることにより、レースイベントとしての一層の充実が図られる。

《遠藤俊幸》

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