煽動法廃止要求キャンペーン、マレーシア弁護士会が開始

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言論弾圧の恐れのある「1948年煽動法」について、弁護士会全国青年部(NYLC)が同法の廃止に向けた全国キャンペーンを開始した。

4日の出発式には、公正な選挙を求める民間グループ「BERSIH(クリーン)」の元代表、アンビガ・スリーネヴァサン氏も出席した。

煽動法は英国植民地時代にできた法律で、政府やスルタンなどの権力、マレーやイスラムなどの宗教に対する批判的な言論に対して度々適用され、言論封殺の道具として使用されてきたとの批判が多い。このため政府は煽動法に代わる法律として国民和合法の成立に向けた準備を進めているが、人権団体は内容がほとんど変わらないと批判している。

弁護士会のクリストファー・リョン会長は、煽動法が、ある人が他人から侮辱や軽視を受けたと訴える時にいつも使われる法律だと指摘。そもそも国家の調和を目的として作られたものではなく、むしろ過激派を生んで国内の分裂を恒常化させると述べた。

煽動法を擁護するマレー人の権利団体、ペルカサのセランゴール州支部は、国家の調和にとって「盾と矛」として必要だとの声明を出している。弁護士会の動きを受けてシャヒダン・カシム首相府相は、煽動法を廃止すると約束した覚えはないと強調し、ナジブ・ラザク首相が見直しをする意向を示しただけだと述べた。

伊藤 祐介

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