国立天文台天文データセンターの大石雅寿センター長を中心とする研究チームは、生命に必須なアミノ酸である、グリシンの前段階物質と考えられるメチルアミンを、国立天文台野辺山観測所の45m大型電波望遠鏡で複数の星形成領域で検出に成功した。
星が誕生している現場で、グリシンの前段階物質が存在することが明らかになったもの。
今回の検出結果を、これまでの研究成果を総合することにより、宇宙に豊富に存在する青酸を出発物質とし、段階的に複雑化してグリシンが作られている可能性が高いことを世界で初めて観測的に示した。
研究結果により、星や惑星を生み出す母体である星間分子雲中にアミノ酸の前段階物質が豊富に存在することが分かった。このような生命素材物質は、彗星や隕石により惑星の表面に運搬されて集積し、惑星で生命の発生に至ると考えられる。
研究チームでは、他の惑星系にも生命が存在する期待を高める結果と考えられるとしている。