その数2000社超…中国の製造業が労働力をアフリカに確保する動き

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自国での生産コストが上昇
製品の生産コストを抑えるため、各国の製造業が工場を中国に移したのもはるか昔。中国国内の経済成長、賃金上昇や政治的思想による反外国資本などの動きに伴い、日本はじめ各国の企業は、より安定的な地域を求め、第2、第3の拠点に生産を移している。

こうした動きは、この30年で急速な経済成長を遂げた中国の企業も同様で、自国での生産コストが上昇するとともに、海外拠点を模索し、多くの企業が生産拠点を労働賃金の安いアフリカに移している。

労働、環境保護基準の甘さも魅力?
中国企業のアフリカ投資は近年増えており、アフリカに生産拠点を設けている中国企業の数は2012年末で2000社超。中国企業による累計の直接投資額は約200億米ドル(約2兆円)で、このうち12年は30億米ドル。これまでは資源やインフラ建設などが主体だったが、現在は労働集約型産業の進出案件も出始めているという。

中国から資本が流入することは、経済低迷による貧困と、治安悪化の悪循環に陥っているアフリカ諸国の労働の量・質の向上に好影響を与えるものとして、歓迎する国も多い。

一方で、アフリカ諸国は利点だけでなく、マイナスの影響も考慮している。中国の労働環境や環境保護の法律、政策が強化されたため、基準の甘いアフリカに目をつけたと指摘する報道もあるからだ。

アフリカの各国の法整備必要
この報道を基に考えれば、中国企業側が労働条件やアフリカの環境に十分な配慮をするかどうかは不透明だ。ワシントンのアフリカ戦略研究センターは、中国がアフリカの資源や労働者を搾取しているとの批判もあるとする。

さらに、欧米企業が主に株主への説明責任を持っているのに対し、中国企業は一義的には中国政府、つまり中国共産党に対して説明責任を持っているという点も、他国に比較して異質だ。

欧米企業からみて採算がとれない投資だとしても、中国企業は高価格を提示するのは、政府から制度的支援を受けることによって、不安定なアフリカ市場へ参入するリスクの分岐点を下げているからだ。

中国企業が国内の厳しい法律から逃れるためにアフリカに進出するのであれば、将来アフリカの労働市場や環境に深刻な事態をもたらすことになる。アフリカ戦略研究センターは、アフリカの各国政府に対し、早急な法律の整備を提言している。

中国企業、生産拠点を労働賃金が安いアフリカに移転!

《アフリカビジネスニュース》

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