【エヌプラス14】カーボンファイバーの意外な能力を再認識…ACM

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CFRP製のマリンバ。同じ大きさの板材でも弾性率を変えることで音階を実現。厳密には完全な音階は実現していないが、高音側の澄んだ音色はまるでガラスを叩いているかのようだった
CFRP製のマリンバ。同じ大きさの板材でも弾性率を変えることで音階を実現。厳密には完全な音階は実現していないが、高音側の澄んだ音色はまるでガラスを叩いているかのようだった 全 4 枚 拡大写真

軽量高剛性を実現するレーシングマテリアルとして知られるカーボンファイバー・コンポジットだが、実はカーボンファイバーを使ったCFRP(炭素繊維強化プラスチック)の特徴は、軽量高剛性以外にも色々ある。先端素材と技術の複合展「N+( エヌプラス)」でそんなことを再認識させてくれたのがACMのブースだ。

【画像全4枚】

一番目を引くブースの角に置かれたのは、CFRP製のマリンバ。鉄琴の代わりにカーボン製の音板を使ったもので、低弾性から高弾性まで幅広い弾性率のカーボンファイバーを使って製作することにより、固有振動数の違いから同寸法の音板でも音階を実現していた。意外だったのは低弾性はPAN系、高弾性はピッチ系のカーボンファイバーであると思っていたら、低弾性側にもピッチ系のカーボンファイバーを採用していたことだ。マリンバの他には竹馬、けん玉などもCFRPで製作することにより、CFRPの可能性、同社の成型技術をアピールしていた。

またCFRPの優れた物性についても、ユニークな展示物を用いて分かりやすく解説しているところが面白かった。電気抵抗や熱伝導についても、同じCFRPでも弾性率が異なる素材では変わることを実際に証明していた。振動減衰についても弾性率が異なれば大きく変わることを、同寸法の平板を使って実演。ダンパーを用いなくても、金属より減衰に優れたCFRPを使うことで、材料を安定した状態で運ぶことができることから、生産効率を向上した例もあるそうだ。

方向によって剛性が異なる異方性についても、4プライでわずか1mm足らずの板厚でも内側と外側の繊維の方向性によって、剛性が変わることも実感させてくれた。これは本当に衝撃的な出来事だった。CFRPは直訳すると炭素繊維強化樹脂で、炭素繊維で強化されたプラスチックという意味だが、性能を追求した製品は樹脂の含有比率が極めて低く、もはや樹脂は成型するための定着材にすぎないというのが筆者の考えだが、ACMのスタッフもまさに同感だと言う。

しかしカーボンファイバーが高機能高性能であるが故に、樹脂の性能に影響される部分が大きいとも言う。確かに耐熱性や耐薬品性は樹脂の性能に大きく依存する。今後は樹脂の開発によってさらに生産効率、剛性や強度などの点で様々な特性が得られそうだ。

同社は産業用ロボット部品などの製作が多く、自動車用部品などは少ないそうだが、そのノウハウを自動車部品にも活かしてほしいと思った。

《高根英幸》

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