火星探査機 MAVEN から初観測結果届く

宇宙 科学
紫外線分光器による火星大気の観測画像。左から水素、酸素、火星表面からの太陽光反射、複合画像を示している。
紫外線分光器による火星大気の観測画像。左から水素、酸素、火星表面からの太陽光反射、複合画像を示している。 全 2 枚 拡大写真
2014年9月24日、NASAの火星探査機『MAVEN(メイブン)』に搭載された観測機器から、火星大気中の水素や酸素などの初観測画像が届いた。9月21日、打ち上げから10カ月で無事に火星の軌道に届いた探査機は観測機器も正常であることがわかった。

MAVENは高度150kmから6000kmまでの火星の軌道を周回し、火星の希薄な大気の状態と、太陽風の相互作用で火星から大気が失われてきたメカニズムを調べる探査機。2013年11月に打ち上げられ、約10カ月かけて火星へ到達し、今月21日に軌道に入った。

初観測画像は、火星表面から高度3万6500km上空まで、紫外線分光器により大気の組成を調べたもの。大気に含まれる元素によって色(疑似カラー)を割り当てられている。青は水素を反映しており、惑星表面から数千km上空へ拡散している。緑は酸素を反映しており、拡散の度合いはそれほど大きくない。赤は惑星の表面からの反射によるもので、画面下の明るい部分は極地の氷または雲を反映している。

火星の大気に含まれる水素や酸素は、火星にあった水や二酸化炭素が分解されてできたものだという。MAVENはこうした成分が大気から失われる過程を、地球時間の1年ほどかけて調査し、火星に存在した水がどの程度失われてきたのか解明する。観測期間中には、通常は低い側で150kmの高度から、さらに125kmまで降下する「ディープ・ディップ」と呼ばれる操作を5回ほど予定しており、高層大気と低層の大気の境界線を調べる高度なミッションにも挑む。

《秋山 文野》

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