F1日本GPに合わせてリリースの「F1 2014」…公式タイトルならではの苦悩

モータースポーツ/エンタメ ゲーム
『F1 2014』シニアプロデューサーに開発舞台裏を訊く 「F1本来の面白さを感じられる」
『F1 2014』シニアプロデューサーに開発舞台裏を訊く 「F1本来の面白さを感じられる」 全 5 枚 拡大写真

まもなく、鈴鹿サーキットで開催されるF1日本グランプリ(10月5日:決勝レース)に合わせて、「F1」シリーズの最新作『F1 2014』が10月2日に発売されます。先日開催された東京ゲームショーでは、F1シリーズの制作に携わる、コードマスターズの大庭将司シニアプロデューサーに、今作の魅力や開発の舞台裏について訊くことができました。

◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆
――「F1」シリーズの最新作『F1 2014』ですが、日本版では世界で一番速くリリースすることができました。やはり、日本グランプリに合わせて発売したいという意気込みがあったのでしょうか?

そうですね。この『F1 2014』日本版に関しては“日本グランプリの前に出す”と目標を掲げて、他の開発メンバーにも頑張ってもらいました。やはり、地上波でF1が放送されていなかったとはいえ、地元でF1が開催されるとファンを含めて一番の盛り上がりを見せますので、ベストなタイミングで発売することができました。日本での発売は世界で一番速く、オンラインで遊ぶのを楽しみにしていた方にとっては、海外版と比べて2週間ぐらい先に手にすることができるので、ぜひ、早く練習をしてランキングを日本ドライバーで独占してもらいたいです。

――現実世界で展開するF1の2014年シーズンは、レギュレーションが大幅に変わって、ゲーム開発チームも大変だったと思いますが?

本作はシリーズ6作目になりまして、ゲームの根幹となる部分も成熟が進んでいました。本作の開発に関しても「シナリオモード」などの各種モードの仕様もほとんど変えずに、すんなり開発は進むのかなと思っていたのですが、やはりレギュレーションの変更が開発にも大きく影響しましたね。マシンのデザインは変わりましたし、エンジンも小さくなってハンドリングの部分はほとんど最初から作っているのと同じでした。エンジンサウンドもターボがついていて音が全然違うので、サウンドデータの撮り直しなどもあり、現場は大変でした。また、このF1シリーズはF1公式タイトルであるがゆえ、開発においてはFOM(Formula One Administrationの略。F1の商業権を管理する団体)や各チームの承認作業に一番時間を取られるのですが、今年はレギュレーション変更も加わって、いつもより開発に時間がなかった感じでした。

――ゲーム関しては、新しい試みとして初心者に向けた“Very Easy”モードが追加されました。

一番特徴的なのはアシストを強化している部分だと思います。例えば、コーナーを曲がるといった時、F1マシンはタイヤのグリップ力が強力なので市販車で走るのとは違った感覚となります。初めてF1をプレイする方だと、なかなかブレーキングのポイントがわからないと思いますので、システムの方でブレーキをかけてあげることで初心者の方でも比較的簡単に操作できるようになっていると思います。

初心者の方でも、一度ブレーキングポイントを覚えてしまえば、F1マシンというのは大きく膨らむことなくキュッと曲がっていくので、アシストをオフにした時にどれだけブレーキを我慢すればいいのかとか、タイムを削っていく楽しみを徐々に増やしていけばゲームを楽しめるのかなと思います。

――F1 2014を楽しむポイントというのは?

F1はスポーツなのでコースをどれだけ速く走るコンマ何秒を争うという世界があると思います。一方でレースを展開する戦略的な要素も強くて、タイヤが摩耗したら交換しなくてはならなかったり、雨が降って来たらレインタイヤに履き替えるといった、タイヤの選択やどこでピットに入るという部分も、ゲームを楽しむうえでの重要な要素だと思います。ゲームショーとかの体験プレイですと、3周くらい走っておしまいということがほとんどだと思いますので、ゲームを手にした方には、ピットに入らなければならない長さのレースに挑戦してもらって、マシンの状況や天候がレース中徐々に変わっていくのを体験してもらえると、F1の本来の面白さを感じてもらえると思います。

――今シーズン、現実世界で展開するF1をみた印象は?

やはり、資金力のあるチームが強いという傾向はあると思いますが、まだまだ、どのドライバー・チームが優勝するのかわかりません。各チームの戦略も手探りな部分が出ていると思いますので、レギュレーションを大幅に変えたことによって、レース展開を盛り上げる効果が出ていると思います。

――まだ、F1シリーズを手にしたことのない人達に向けて、メッセージをお願いします。

今シーズンから搭載される1.6リットルのエンジンは、普段街中で走っているクルマとそう変わらないサイズだと思いますが、この間のイタリアグランプリでは約360kmを出してしまうくらい、やはり技術的に世界最高峰のものを提供しているのがF1の世界なのだと思います。このF1の世界をより多くの人に感じてもらうために今回は“Very Easy”モードを追加しましたので、「難しい」とあきらめていた方にも、ぜひ楽しんで頂きたいです。

――わかりました。本日はありがとうございました。

『F1 2014』シニアプロデューサーに開発舞台裏を訊く 「F1本来の面白さを感じられる」

《Game*Spark@INSIDE》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  4. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る