ホンダの次世代一輪車で、日本科学未来館を駆け回ってみた…UNI-CUB β

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ヒュルルルル~というオムニトラクションドライブの駆動音を響かせながら
ヒュルルルル~というオムニトラクションドライブの駆動音を響かせながら 全 11 枚 拡大写真

日本科学未来館で10月1日から始まった、ホンダ次世代モビリティ『UNI-CUB β』乗車体験ツアー。同館1階特設カウンターで試乗代金700円を払い、30分の“未来1輪車クルーズ”を試してみた。

「慣れないうちは、まず直立することが難しいと思います。コツは、背筋を伸ばしてまっすぐに座ることです」というスタッフのアドバイスのもと、UNI-CUB βに着座。UNI-CUBステーションの練習フロアで、前後、右折、左折、8の字の移動をトレーニングする。

誘導スタッフ1名に対し、参加者は4人。そのうち2人が子どもで残り2人が中年男性だった。「こうした乗り物には、子どもたちのほうがサラリと慣れるな」とまず実感。中年2人は、その場にピタリと止まれず、ユラユラ……。

5分ほど練習フロアで基本の動きを覚え。同館1階のランエリアへと出ていく。着座面と接した左右の尾てい骨の荷重を意識しながら前後左右へと移動していく。バイクのニーグリップというよりも、背筋を伸ばして自分の重心を尾てい骨でコントロールするというイメージか。

お尻で動く次世代モビリティの楽しさはもちろん、同館の来場者たちに「うわっ、なにこの乗り物!?」という目で注目を浴びるのも、どこかうれしかったりする。

走る、曲がる、止まるという動きに慣れたころ、「では7階に行きましょう」と誘導スタッフ。このUNI-CUB βに乗ったまま、エレベーターに乗るのだ。7階ではいよいよフリー走行にチャレンジ。廊下を行ったり来たり。上半身を前傾させ、最高速度6km/hまで上げると、UNI-CUB β側からコツンコツンとスピードを抑えるような挙動が現れる。

「スピードが上がってますよ、と気づかせる意味もあるし、抑速のための動きでもある」とスタッフ。「前傾している1輪車を止めるためには、乗員がつんのめって倒れないように、タイヤが前方向に出て抑速しなければならない。このあたりの説明が難しいところだが、乗って体感してもらうことがいちばんわかりやすいと思う」と話すのは、本田技術研究所スマートモビリティ開発室主任研究員の小橋慎一郎氏。

「クルマをドライブするイメージで乗ると動きをつかみづらい。概念が違う。このモビリティは、込み合う人のなかで使用してほしいという想いでつくられた。周りの人からも、乗ってる人からも、人込みに溶け込むというイメージで乗ると、意外と乗れるようになる」(小橋氏)

歩行者と同じ感覚で乗る。クルマのように“ラインどり”して目的地へ行くというよりも、歩いている自分をイメージしながら、すれ違う人をよけたり、曲がったりすると、自分が思い描く動きに近いラインで移動してくれる。

1・7・5階と移動し、日本未来館の有機EL地球ディスプレイ「Geo-Cosmos」や、普段入れないエリアからの眺望も楽しめた。気になったのは7階に移動したさいにどこからか漂ってきた旨そうな匂い。5階のカフェからのものらしい。

ホンダがつくる近未来のモビリティは、たった30分の試乗では満足できない。最高速度6km/hの自由移動は、時間を忘れてしまうほど楽しいものだった。

《レスポンス編集部》

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