【BMW M4クーペ 試乗】さりげなく高レベルな“M”の世界観…島崎七生人

試乗記 輸入車
BMW・M4
BMW・M4 全 10 枚 拡大写真
「カーボン。アルミニウム。マグネシウム。そして、アドレナリン。」同車カタログの中のそんなコピーは、当然ながら『M4』を端的に表現したもの。ならば乗ってみようか…と素直に靡けるオーナーがつくづく羨ましい…と思える。

E30時代から連綿と続いた前身の『M3』は、ベース車と同様、クーペが初めて『M4』の名で登場した。今回も徹底的な軽量化が実行され、見える部分では、ルーフやトランクはCFRP(炭素繊維強化樹脂)、フードや左右フロントフェンダーはアルミニウム製。外観は大開口フロントバンパーなどを除けば、主張はむしろ控えめなほど。だが全幅や前後トレッドは、ベースのクーペよりさらに幅広い。

内装では、センターパッドがコンパクトにデザインされた丸いステアリングホイール、専用シートほかを備える。が、オプションの駐車支援カメラを装備するなど充実しすぎるほどの内容だ。最新の高性能車は愚直にストイックなだけではないということがよくわかる。

走りも同様だった。試乗車は6速MT車で、たとえば『M235i』などと較べると、シフトもクラッチも幾分かコツン!と手応えが増し、別モノであることがわかる。とはいえ腕ずくで手なずけながら走らせる必要はまったくなく、一般道を流す程度なら、快適なクーペそのもの。が、ペースを上げると“M Power”の醍醐味が。

3リットルの6気筒Mツインパワーターボエンジン(431ps/56.1kgm)はじめ、サスペンション、ブレーキ、ステアリングなど、すべてのメカニズムの“精緻さ”を実感。その上で軽量、強靭なボディとの組み合わせで、サラリと危なげなく高レベルの走りをやってのける…そういう仕上がりになっているのだった。走行データを記録・解析できるスマートフォン用アプリなど、現代的なアイテムも用意される。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★


島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「めっちゃカッコよくない?」無限仕様の新型『プレリュード』が話題に、SNSではホイールにも「たまらない」の声
  2. 「ほぼモデルチェンジ並み」フロントマスクが大胆チェンジ! 新型レクサス『IS』が話題に
  3. フェラーリ『テスタロッサ』復活、新世代電動スーパーカーは1050馬力
  4. 「今までのルノー車にはないデザイン」6代目となった新型ルノー『ルーテシア』、ファンの注目は“F1由来”の技術
  5. 「本当に世に出るとは」車重わずか1トンで800馬力V12、「超アナログ」スーパーカー…新型車記事ランキング 8月
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る