【カーオブザイヤー14 選考コメント】これまでのEVと一線を画す BMW i3 に10点…西川淳

自動車 ビジネス 国内マーケット
BMW i3
BMW i3 全 8 枚 拡大写真

エコとドライビングファンを革新的なパッケージで両立した『i3』に10点を投じた。

紛れもなくブランドコンシャス(=正真正銘のBMWライド)なクルマであるという点で、これまでのEVとは一線を画す。電動化・補助自動化・エコ化がさらに進むとブランドの個性が無くなってしまうのでは? という危惧に対して、将来性と応用性のある解答を示した功績は大きい。

また、性能の核心はカーボンコンポジットを活用したユニークな車体構造にあったが、炭素繊維の製造段階や専用組立工場における環境対策にも積極的な改革を実施するなど、従来にない革新的かつ包括的な取り組みによって生まれたモデルであるという点も高く評価したい。

『デミオ』と『Cクラス』はいずれも既存モデルの正当進化(深化)という点で出色のできばえだ。7点と6点という配点は、現行制度上、2番手3番手に与えうる最高点で、個人の評価としては限りなく満点に近い。今後、この2モデルは人気車におけるフルモデルチェンジのベンチマークになるだろう。

10ベストに漏れたクルマのなかに高く評価すべきモデルが多かったことも、今回は特に印象的だった。マイナーチェンジや追加のモデルは仕方ないにしても、『アクセラ』や『ミニ』といったフルモデルチェンジ版の”非常に優秀”なモデルに関しては、もう少し高い評価があっても良かったと思う。これらが10ベストに入ってこなかった結果、選ばれた10台の中から(配点する)5台を選ぶのに苦労した。もっとも、そんな”隠された名車”たちが選出されていたならば、こんどは配点に苦労したことだろう……。

BMW『i3』:10点
マツダ『デミオ』:7点
メルセデスベンツ『Cクラス』:6点
プジョー『308』: 1点
ジープ『チェロキー』:1点

西川淳|自動車ライター/編集者
産業から経済、歴史、文化、工学まで俯瞰して自動車を眺めることを理想とする。高額車、スポーツカー、輸入車、クラシックカーといった趣味の領域が得意。中古車事情にも通じる。永遠のスーパーカー少年。自動車における趣味と実用の建設的な分離と両立が最近のテーマ。精密機械工学部出身。

《西川淳》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 待望の新型スズキ『GSX-R1000R』が予告なしの初公開!「3色3様」往年のレーシングカラーで日本市場復活へ
  2. 世界初の「破壊不可能ホイール」って何だ!? テスラ向けパーツ手掛ける米メーカーが開発
  3. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  4. 新型『ムーヴ』『ステラ』のコーナリング性能を向上、ブリッツの車高調「DAMPER ZZ-R」シリーズ
  5. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る