【MINI クロスオーバー 試乗】ディーゼル新時代、「プレミアム」名乗るには今一歩…中村孝仁

試乗記 輸入車
MINI クロスオーバーSD
MINI クロスオーバーSD 全 23 枚 拡大写真

ついにミニにもディーゼルを搭載してきたBMW。いよいよ日本市場にもディーゼル時代が到来したと思わせる状況になってきた。今回ディーゼルが搭載されたのは『クロスオーバー』と『ペースマン』。今回はクロスオーバーの試乗である。

【画像全23枚】

ミニに用意されたディーゼルは2種類。このうち、『クロスオーバーSD』が搭載するのは143ps、305Nmを絞り出すもの。もう1種のエンジンは112ps、270Nmで、高性能版はクロスオーバーSDにのみ設定される。

ミニはベースモデルの3ドア車が昨年フルチェンジを受けたばかり。しかし、現行クロスオーバーは旧型ミニがベースで、今回ディーゼルを搭載してもシャシーやインテリアデザインなどは旧型と同じ。したがって、依然として大きなセンターメーターを持つ仕様である。

それだけではない。ディーゼルエンジンそのものは基本的にこれもBMW『3シリーズ』に搭載されるのと同じ2リットル直4ユニットだ。これを横置きにアレンジして、6速ATと組み合わせる。しかしながらBMWでは付いているアイドリングストップがミニにはつかない。それにエコプロモードもないから燃費だけを見るとどうしても見劣りしてしまうわけである。

では実際に試乗した印象はというと、320の時もたとえば異様に静かなマツダの2.2リットルディーゼルと比較すると、それなりにディーゼルのカラカラ音が出ていたが、あれはアイドリングストップしてくれるので信号で停車しても全然気にならなかった。ところがミニの場合は止まらないのでそれなりに気になるし、本家BMWと比較するとさすがに制音材の量が少ないのか、エンジンの透過音もそれなりに大きい。しかも全域で微振動が出て、特にステアリングにはアイドリング時はおろか、走行中でも常に細かい振動が伝わってくる。少し厳しい評価かもしれないが、プレミアムコンパクトを謳うならこの程度の音や振動は消してほしいものである。

一方のパフォーマンスはどうか。こちらは低速トルクが圧倒的だから文句なく走りやすいし、パワフルな印象を与えてくれる。ただディーゼルらしくなく、あまり低回転は好まない。一般道でも5速に入るのは60km/h以上。6速はおおむね75km/h程度のスピードを要するから、市街地ではほぼ4速といっても過言ではない。そのスピード状況は回転にすると2000rpm弱となるのだが、このあたりのディーゼル音は顕著に耳に届くのだ。

というわけで、SDという高性能版に関する限り、あまり積極的にディーゼルがいい…とは思わなかった。因みにガソリン車と比較して価格は20万円高い。ただし、減税対象で実質的な負担増は5万円ほど。現状の軽油価格とプレミアムガソリン価格の差で、15000kmも走れば元が取れる計算だから、長距離移動が多く、長く乗りたいというユーザーにはメリットが出る。それに今回は箱根周辺の静かな場所での試乗だったため、当然エンジン音などが聞こえやすいが、これが都会の喧騒に入れば印象も違ってくると思う。それにやはり高速での走りは文句なくこちらが上。さてあなたはどちらを選ぶ?

パッケージング ★★★★
インテリア居住性 ★★★★
パワーソース ★★★
フットワーク ★★★★
おすすめ度 ★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来36年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタが『カローラクロス・ピックアップ』開発中か? 日本市場でヒットの予感
  2. メルセデスベンツ『Cクラス』新型、約1060万円から欧州受注開始…航続762kmのEVに
  3. 雨の季節、濡れた傘をすっきり収納! 車内快適「傘入れ」[特選カーアクセサリー名鑑]
  4. ダイハツ『ラガー』30年ぶり復活か?…土曜ニュースランキング
  5. 「乗ればいい」から「見ていい」へ…新型ネオレトロに異業種コラボ、二輪デザイントップが明かすスズキの“変化”と“進化”の理由
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. シトロエン『C3』新型にEV「e-C3」、航続388km…399万9000円から
  2. 「もはや地図事業だけではないHERE」…人とくるまのテクノロジー展2026初出展の背景を枝代表に訊ねる
  3. セキュア開発における脅威分析【自動車セキュリティ解説 第2回】
  4. 英Parkopedia、新APIでEVの「充電不安」解消へ…公共充電器の最大43%が実質利用不可という業界課題に対応
  5. 6/23申込締切 次のステップを模索する中国自動車メーカーの戦略を俯瞰する
ランキングをもっと見る